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「音程は良心の問題である」by カザルス

音程の練習を一生懸命しているところです。
少しずつですが、音程を覚え始めたようです。

弾きながら、
「あれ、この音違ったぽい」と思って確かめると、
やっぱり違う、ということが、たびたびありました。

よい音程を身に着ける、ということは、
左手の技術としては、
「鳴らすべき音の場所を一発で押さえる」
ということなのでしょう。

しかし、
そもそもその「鳴らすべき音」が
頭の中で鳴らせなければいけませんし、
自分で自分の音を聴いて、
出そうと思った音との乖離を把握できなければなりません。

平たく言うと、
「変な音出したら自分で分かる」
ってことですね。

言葉にすると短いですけど、
でもこれほんと大変で。私には。

もともと頭の中に鍵盤が入っている方は、
それと照らし合わせる、というかむしろ、
照らし合わせようとするまでもなく、
高いとか低いとか感じるのかもしれません。(うらやましい)

でも私の場合はそのようなことはなく、
まずその鳴らそうとする音の高さを覚え、、
意識的にそれを狙い、
自分の出す音の高さ、音程を、
よーくよーく注意して聴いて、
鳴らそうと思った音と比較しなければ、
鳴らすべき音からのずれを検知できないのです。

で、ちょっとでも気を抜くと、
指が押さえやすい方向に寄って、
例えばFisが低くなったりするわけです。


さて、本稿のタイトル、「音程は良心の問題である」。

カザルスが音程について語った言葉として、
あちこちで言及されています。

これだけ広く知られているということは、
どこかに記録が残っているのだろう、
と思って簡単に検索をかけてみたところ、
こちらの書籍の102ページにオリジナルが
あるようでした。


Casals and the Art of Interpretation

もともと何語でそういったのか分かりませんが、
同書には英語で書かれているのでその部分を引用します。

‘Intonation,’ Calas told a student, ‘is a question of conscience. You hear when a note is false the same way you feel when you do something wrong in life. We must not continue to do the wrong thing.’
(Casals and the Art of Interpretation, David Blum, 1980)


【ククーロ訳】
「音程とはね、」カザルスは生徒に言う。「良心の問題なのだよ。ある音が間違った音程で鳴らされたとき、普段の生活で何か悪いことをしたときと同じように感じるはずだ。悪いことをし続けてはならないのだよ。」

よく引用される部分は、
"Intonation is a question of conscience"
ですね。

このquestionはmatterと書かれているのも、
よく検索でひっかかります。

「良心」にあたる単語はconscienceで、コンシェンスと発音します。
(私としてはコンサイエンスと発音したくなるのですが・・・)


えーとえーと、カザルス先生、あの、
おかしな音を鳴らしてもそもそもそのことに気づかないので、
まーったく罪悪感がないのですけれどワタシ・・・

もっともカザルスさんはこの著者がここで書いているような意味でだけ、音程は良心の問題だと言っていたのかどうか、分かりませんけれどね。私は今回調べてみるまで、この言葉は、「おかしな音程で鳴らしていても本人は平気だが周りは気持ち悪い。自分の勝手で他人に迷惑をかけてはいけない」というような意味で「良心の問題」なのだろうと思っていました。(し、カザルス氏もそういう意味でもconscienceと言っていたのかもしれません。ただ上記の部分には直接にそう読める説明の記述がないだけで。)


なお、「カザルスとの対話」では、音程の話は240-243頁でされています。
(そしてその後に、「弦は切れる直前がいちばんいい音がする」という話になります 笑)

カザルスとの対話




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テーマ : チェロ
ジャンル : 音楽

考えて分かる音楽の味わい 『名曲に何を聴くか』 田村和紀夫

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この書籍は、

【新音楽鑑賞法】名曲に何を聴くか
音楽理解のための分析的アプローチ

と題されています。


(個人的には、「新音楽鑑賞法」の「新」は、
 はて・・・?と思わなくもないのですが(笑)、
 まあそれはおいておきましょう)

で「分析的」といっているくらいですから、
本当に分析してます。

いわゆる、

「難しい本」

のうちに入ると思います。

目次はこんなかんじ。

第1章 音楽とテンポ
 テンポは性格 <<別れの曲>>はどんな「別れ」の曲?
 テンポの分裂 <<グレート>>は「偉大」か
 テンポと表現 シューマンのピアノ協奏曲を思い出せ

第2章 拍子とリズム
 拍節と音楽 ワルキューレの騎行の足どり
 めくるめくリズム <<第7>>を神格化するシンコペーション

第3章 旋律
 フレーズから音楽へ <>のつづれ織り
 ホモフォニーとポリフォニー <<第9>>の荘厳な歓喜
 モティーフの発展としての音楽 <<木星>>の裏側

第4章 音組織と調性  
 長調と短調の光と影 <<モルダル>>の水は何色?
 5度転調と3度転調 <<野ばら>>のドラマ、<<献呈>>のロマン
 懐かしい五音音階の調べ <<家路>>へいざなう響き
 旋法の話 <<亡き王女>>は何モード?

第5章 オーケストラの楽器
 オクターヴ・ユニゾンのおののき ああ<<40番>>!
 オーケストラの華:木管楽器 断頭台の<<幻想>>
 妙なるラッパの音:金管楽器 マーラーの天国の響き

終章 総合的分析
 「音楽のインヴェンション 楽譜を音楽化する音楽後の基礎
 <<運命>>の心理学




副題がなかなか魅力的でしょう。

  <<第9>>の荘厳な歓喜

とか、

  <<モルダル>>の水は何色?

とか。

ところが、それぞれの節の本来の題は、

 ホモフォニーとポリフォニー <<第9>>の荘厳な歓喜
と、

 長調と短調の光と影 <<モルダル>>の水は何色?

なのですよ。

で、この本では、副題のほうに書いてあるような、
色々な、私たち聴き手に「感じられる」ことを、
理論的に分析して、

「ここはこういう風な理屈で作曲されているから、
 こういう風に感じられるのだ」

ということを、
楽譜をもとに解き明かしていきます。

これは、チェロを弾きもする私としては、なかなか面白い。
楽譜には色々な情報が書かれてありますが、
ちょっとした記号ひとつにも、
けっこう深い意味が読み取れたりも、する。

楽譜を解読して解釈して演奏するというのは、
そういうものらしい、ということは、
楽器を有る程度習っていれば先生にアレコレ言われますから、
多少なりとも意識することにはなります。

しかし、この本では、かなり深いところまで突っ込んでいく、
その思考と分析のプロセスを著者のガイドでたどることが出来ます。


・・・なのですが、いえ、それゆえに、
結構「ムズカシイ」本でもあります(笑)

音楽の専門用語は容赦なく出てきますし、
その用語の説明が載っていないことも多い。

また、色々な曲を例にしながら説明するわけですが、
楽譜をみただけでは、

「こういう風に書いてある」

ことまでは分かっても、
よほど聞きなれた曲でない限り、

「どんな風に聞こえるか」

までは、私は分かりません。

そこで、
分からない用語はその都度インターネットで調べながら、
また、Youtubeなどでその部分とおぼしき曲を聴きながら、
読み進めていきました。

そのため、
最初はとっつきにくかったのですが、
だんだんと慣れてくるにしたがって、
一種の「謎解き」ようのような面白さを感じるようになり、
最後の「運命の心理学」では、
うなづくことしきりでした。

ここで作者は、

・冒頭の動機

と、

・3楽章から4楽章へのつなぎ

を取り上げて、

・それぞれ楽譜からどんなことが読み取れるか

・ということはどのように演奏されるべきか

を考えていきます。


楽曲、あるいは楽譜の「解釈」という作業は、
専門的に音楽を学んでいる方であれば当然のこととして、
日々行っている作業であろうと思います。

また、私もチェロを習っていますから、
学習している曲に関しては、
先生からあれこれと教授して頂いております。

ですが、
音楽全般にまではなかなか広がりませんし、
聴き手としてはチェロ音楽以外のものも楽しむ私としては、
本書の内容は非常に興味深いものでした。

「のだめ」では、

 「作曲者と楽譜を通じていかに対話するか」

という問題が重要な主題としてたびたび登場し、
物語の中でも重要な役割を果たします。

その具体的な例に触れることが出来る、という意味で、
専門的な音楽教育を受けていない、
私のような愛好家にとっては、
とてもありがたい書籍であると感じられます。

もっとも、多少の「むずかしさ」を覚悟して、
じっくり付き合い、読み解いてみれば、
の話ですけど、ね。


本日紹介しました書籍は、


『名曲に何を聴くか』 
田村和紀夫
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でした!




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職業柄、難しい本は読みなれております。

朗報! バッハ本の日本語訳が出てました。

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以前にこちらの記事で紹介しました、
エリック・シブリン氏による無伴奏チェロ組曲の書籍。

同記事で、

多くの、
アマチュアチェロ奏者の方、
バッハの組曲を愛する方、
そしてクラシック音楽の愛好家の方に、
読んでいただきたい一冊です。

・・・なのですが、英語なんですよねぇ。

この本の日本語訳がでるといいのですけれど、ね。



と書いておりましたところ、
先日、翻訳が出版されていました!


こちら。


siburinwasho_20110609231412.jpg
「無伴奏チェロ組曲」を求めて ─ バッハ、カザルス、そして現代
エリック シブリン (著)  武藤 剛史 (翻訳)




出版社の紹介によると、


(前略)
ふとした思いつきで行ってみた
クラシック音楽のリサイタルで、
はじめて耳にするバッハ『無伴奏チェロ組曲』の、
地味ながら豊かな、素朴なようで洗練された音楽に
すっかり魅せられてしまう。

たった一台の楽器が四本の弦で奏でる、
この曲の何がこれほどまでに人を惹きつけるのか?

この曲はどういう背景から生まれ、どのような道をたどって、
現代のわれわれのもとへやってきたのだろう?
(後略)



とのことです。
さすが、私の紹介文よりずっと素敵(笑)

「地味ながら豊かな、素朴なようで洗練された」

というのはいい表現ですね。
そんな風に私もバッハを弾きたいです。




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私は英語のほうを読んだのでたぶん買いません(笑)

テーマ : チェロ
ジャンル : 音楽

岡田暁生『西洋音楽史』:バッハはバロックの代表的作曲家ではない?

書籍の紹介です。

岡田暁生 著
『西洋音楽史 「クラシック」の黄昏』
oakda.jpg Amazon


西洋の音楽の歴史を学ぶ、
ということで、
今回は岡田暁生さんのこの一冊です。

このテの本にしては楽しく読めました。
ストーリーが明確で、知識というよりは物語。

「どのように西洋芸術音楽が生まれ、発展し、
 そして衰退して行こうとしているか」

という物語です。

何冊か類書を読めば、
同じことが何度も出てくるのは当然ですが、
例えば次のようなことが、時間の順に起きます。


・教会の儀式のための音楽

・楽譜が誕生するまでの経緯

・五度の和音から三度の和音へ

・貴族、王族の娯楽と権威誇示のための音楽

・作曲家は注文に応える職人に

・「市民」の誕生、新しい聴衆・生徒の階層に

・芸術家の表現としての作曲、演奏の時代

・作曲技法の行き詰まりと現代音楽

・ジャズやポピュラー音楽への接続

などなど。
これは類書にも登場しますね。

本書を読んで私が特にひかれたのは、
冒頭に書きましたように、

「物語」

として書かれているということ。

客観的に、
「こんなことがありましたよ」
というだけではなく、

「それにはこういう事情があって、
 その結果、本当はああしたかったのに、
 結局こんなことになってしまったりしたのです。
 ところがそれが、もう少しあとになると・・・」

といったような調子で、
意味づけ、著者の解釈が分かりやすい。

ひとつ面白かったのは、バッハのこと。

私はこれまで、バッハは、

「バロック音楽の代表的な作曲家」

だと思ってきました。

でも、同時に、
バロック音楽の特徴として、

・感情の大げさで率直な表出

・通奏低音の重視による荘厳な表現

・派手な修飾

・オペラの誕生

・華やかな貴族の祝典のための音楽

などと言われると、

「バッハの曲の印象とはちょっと違うけど・・・」

と、違和感を感じました。

無伴奏チェロ組曲など、
上記にひとつもあてはまりそうにありません。

(いえ、バッハ音楽にはそういう曲もあるとは思います。
 ブランデンブルグなんかは、わりと。)

他のバッハ音楽も、代表的なものでは、
対位法を駆使した緻密な構成のオルガン曲は、
上記の特徴では説明できませんし、
マタイ受難曲などの宗教音楽も、
通奏低音と感情表出はともかくとして、
ほかは、ちょっとちがう。

と、思っていたら、

「バロックの他の有名作曲家と比べて、
 バッハの活動がかなり地味なもの」

とか、

「バッハのイメージでバロック音楽全体を
 代表させることはしないほうがいい」

とか書いてあるではありませんか!

つまり、大バッハは、
今でこそ大作曲家として非常に高い地位を与えられているものの、
バロック当事としては、
あまり有名でもなく、つまり「売れっ子」ではなく、
その時代の作曲の流行にも従わず、
ドイツの片田舎で粛々と義務を果たしながら、
淡々と、しかし、音楽市場に残る大傑作を、
作曲していた、
ということだそうな。


そして、
「バロックの典型的な作曲家」としては、
ヘンデルやテレマン。

上記のバロック音楽の特徴と比べると、
なるほど、ですね。
(私はヘンデルやテレマンの曲も少しは聞きます。好きです)


と、いうわけで。


岡田暁生さんの「西洋音楽史」、
文庫ですし、
手ごろな入門書としてオススメです。

こういう流れを知っておくと、
音楽の聴き方も変わりますし、

「今ではずいぶん落ち着いたように聞こえるこの曲も、
 当事としてはものすごい刺激的だったんだろうな」

などと想像する楽しみもありますよ。


本日紹介しましたのは、

岡田暁生 著
『西洋音楽史 「クラシック」の黄昏』

でした!

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デンコ先生の連載チェロ小説「エリオット湾の眺め」


当ブログのお客様でもあります、
チェロの先生(本職!)のデンコさんの
ブログにて連載されておりました、
「エリオット湾の眺め」というお話が完結しました。

第1話
http://ameblo.jp/denko-cello/entry-10590128011.html#main
第2話
http://ameblo.jp/denko-cello/entry-10591940677.html#main
第3話
http://ameblo.jp/denko-cello/entry-10595583408.html#main
第4話
http://ameblo.jp/denko-cello/entry-10596335878.html#main
第5話
http://ameblo.jp/denko-cello/entry-10597430386.html#main
第6話
http://ameblo.jp/denko-cello/entry-10602265126.html#main
第7話
http://ameblo.jp/denko-cello/entry-10609457377.html#main
第8話
http://ameblo.jp/denko-cello/entry-10610383936.html#main
第9話
http://ameblo.jp/denko-cello/entry-10612666426.html#main
第10話
http://ameblo.jp/denko-cello/entry-10614150634.html#main
第11話
http://ameblo.jp/denko-cello/entry-10615106945.html#main
第12話
http://ameblo.jp/denko-cello/entry-10615764561.html#main
第13話
http://ameblo.jp/denko-cello/entry-10616525589.html#main
第14話<最終回>
http://ameblo.jp/denko-cello/entry-10617078919.html#main

2本のチェロとピアノのための『エリオット湾の眺め』
http://ameblo.jp/denko-cello/entry-10617087532.html#main


読後感の気持ちよいお話は好きです。
曲も素敵。デンコ先生の多重録音でしょうか?

お話の中では、
どっちかというと「彼」のほうが、
私自身に似ているような気がするのですが(笑)
いえ、性別の問題だけではなく。
あれくらいのことは平気で言ってしまいそうです。


あ。


いや。


言ったことあるかも。


あるわ・・・
しかも30って言ったわ、そのとき・・・


えーと、うんと。

これは、ちょっとあれですね(汗)、
昔のアドレス帳をひっぱりだしてきて、
エリオット湾まで行って来いって言わないと!



気を取り直して。



こういうお話、私は絶対に書けないです。
小説も少しは読みますけど、書ける気がしない。


以前からの当ブログ読者の皆様でしたらお分かりのとおり、
私は基本的に論理の世界で生きています。
楽器演奏上の様々な課題も、
事実と論理でもってほとんど対処しています。

日常色々あるなかで、
事実と論理(理屈ともいう)でさばけない課題は、
経験と直感で対処するわけですが、
それを創作に表現するワザはないなぁ、と思うのです。

研究者として仕事をはじめて、
これまでは「読む」立場だった論文や教科書を、
「書く」立場になりつつありますが、
小説は、これからも、「読む」専門で。

素敵なお話を書く皆様に感謝しつつ。


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チェロ2重奏は好きです。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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プロフィール

ククーロ

Author:ククーロ
18歳のときに「チェロを弾こう!」と決め、28歳でようやく始めました(2009年2月)。練習の記録と好きな音楽の紹介をしています。よろしくお願いします。京都在住です。


◆ お気に入りCD ◆

アクアトリニティ
水の薫り
aqua.jpg


サイトウ・チェロ・アンサンブル
クレンゲル「讃歌」
3202110926.jpg


ヨーヨー・マ
ソング・オブ・ジョイアンドピース <歓喜と平和の歌>
masong.jpg


トゥルルス・モルク
ショパン・チェロ曲集
mork.jpg


ミクローシュ・ペレーニ
ウィグモア・ホールライブ
perenil.jpg



◆ 愛用スピーカー  ◆
 Timedomain Light
light1.jpg
 



◆ 愛用の消音器 ◆
 マイ・ミュート
mute2.jpg



◆ 今弾いてる楽器  ◆
Cao工房 ゴフリラーモデル
IMG_0894_4.jpg

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