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はじめての楽器選び (4)それでも試奏の不思議

初心者による初心者のための、
「はじめての楽器選び」シリーズ、
第4回をお届けいたします。

このシリーズ記事の主題は、
楽器(チェロ&弓)の購入にあたって、
 初心者がどのような楽器を買うべきか、
 初心者がどのように楽器を買うべきか、
について、
楽器を購入した初心者である私が考えていたこと、でした。

前回の記事で、「どのように」のうち、
特に重要と考えられている(と見受けられる)
「試奏」について、
初心者である私自身は、
試奏によって良い楽器を選択する自信はない、
ということを書きました。、

そしてそれは、
試奏して私が感じる楽器の性能・特徴のうち、

 どれだけが楽器に固有のもので、
 どれだけが部品の選択によるもので、
 どれだけが調整の状態によるもので、
 どれだけが奏者の腕(つまり私)によるものか。

が分からないためです。

しかし、私としても、現物を確認すること、
その楽器の性能・特徴を調べることは必要だと考えています。
(とはいっても、私自身がこれに反する買い方をしてしまっていますので、あまり説得力がありませんが・・・笑)

ともあれ、
初心者が自分では楽器を判定出来ず、
しかし現物の確認が必要であるとしたら、
答えはひとつ。

その判定が出来る、
経験豊かな方に同行して頂くこと、でしょう。
そして理想的には、この同行者は、
自分が教わっているチェロの先生、でしょう。

なぜなら、
ただ一般的な意味で楽器の善し悪しを識別出来る、
というだけでなく、
自分の演奏の傾向・状況を知っている、
すなわち、楽器と奏者の相性をも、
判別できるであろうからです。
また、
購入後のレッスンの中でも、
楽器のことが話題になるでしょうから、
やはりその先生が「これはいい」という楽器のほうが、
初心者としては安心できそうです。


以前の記事で、私の考える、
初心が買うべき(というか、私が欲しい)楽器について、
次のような条件を並べました。

・弾き易いと感じる
・無理なく発音できる
・正しく弾けばよく鳴ってくれる
・正しく弾かなければあまり鳴らない
・鳴りの良さにムラが少ない
・音色が好きになれる
・重量が重過ぎない
・外観が美しい
・形が好きになれる
・仕上げが丁寧
・つくりがしっかりしていて丈夫
・気候の変化で狂いづらい

このうち外観については、
完全に自分の好みの問題ですから、
先生は関係ないですね。
また「重すぎない」も、
自分で持った感じの問題です。

しかし、他の点。

楽器としての性能に関して、
普通、初心者は判別出来ないだろうと思います。
少なくとも私は出来ません。
複数の楽器をその場で弾き比べれば、
「違う」ということは分かるだろうと思います。

でもそれがどういう意味があるのか、
自分が上達したあとでも、
あるいは調整や部品交換を経た後でも、
その「違い」は同じままなのか。

さらに、

その楽器固有の性能はどの程度の水準なのか。
同価格帯の他の楽器と比較して、
高性能なのか、そうでもないのか。

調整によって現状からどのような変化がありえるか。
それが改善だとすれば、
どの程度の改善が見込まれるのか。

ある性能は高いけど他はそうでもない、としたら、
具体的にどの点が優れているのか。

部品の交換によってどのような変化がありえるか。
それは現状での楽器の性能に対してどのような方向に働くか。

様々な部品の組み合わせのうち、
どのような組み合わせであれば、
「楽しく上達する」という私の目的に対して、
最も効果的なものになるのか。

初心者(私)がはじめての楽器を購入するとき、
これらの点をどなたかに「見抜いてもらう」必要があり、
そしてそれが出来る場合に限って、
試奏によって最も良い楽器を選ぶことが出来そうです。

で、つまるところ、
先生と一緒に行って相談しながら選べばよい、
ということになり、
あちこちで聞く「こうやって選ぶべき」と、
同じ結論になってしまいました。

しかしこれは、
「先生におまかせして買ってきてもらう」
のとは、違います。

それでもいい、それがいい、
という方もいらっしゃるかもしれません。
この「初心者」が専門家を目指す方、
(通常は小中学生でしょうか)でしたら、
弾き手は買い手(通常はその親御さんでしょう)とは
別の人ですし、楽器選びも、
より専門的・実用的であるべきでしょうから、
「師匠にお任せします」というのもアリかもしれません。

ただ私の立場は全然違いまして、
専門家になる予定も意思もありませんし、
弾き手=買い手ですし、
実用的(楽器の性能)な見地だけでなく、
趣味的(外観やイワクイワレ)な視点からも、
「気に入った」楽器を選びたいと思います。
(このあたりは「どんな楽器?」に書きました)

そうすると、
やはり最終決定者は自分自身でありたいですし、
自分の目と耳で全てを確かめたい、と思います。

しかしその「目と耳」は、あまりあてにならない。
つまり、試奏によっては、
その楽器固有の特徴・性能が判断できない。
そこで、先生の「目と耳」を借りて、
ただし、私自身の価値観・目的に適う楽器を、
見つけられればよい、と考えます。

これは単に先生に同行して頂くだけではなく、
自分の中に「どんな楽器を」が、
しっかりとある必要があります。
そしてその楽器が「どんな楽器」であるのかを、
先生の「目と耳」をセンサーにして判断して頂く。

そのときその場で「どんな楽器」であるかだけでなく、
購入後の部品交換や調整によって、
あるいは奏者の上達によって、
変化することも含めての、
「どんな楽器」であるかを、です。

(繰り返しますが、私自身は上記のような買い方をするべきだよなと思いながらも、結局衝動で現物を確かめずにかってしまいましたから、あまり説得力がないと思うのですが(汗)しかし少なくとも論理的には真であるはずです・・・)


ですが、ですが、ですが。


実はもうひとつ、私には、
「試奏にまつわる矛盾」が感じられています。

これは一つ目の矛盾ほど深刻ではなく、
解決法(後述)も簡単なのですが、
特に初心者にとっては気を付けるべきだと思います。

その矛盾とは、

 (1)楽器は試奏して選ぶべきである
と、
 (2)奏者に聞こえる音と聴衆に聞こえる音は異なる
です。

これはチェロを始めてから知ったことですが、
 奏者の耳元で聞こえる音、
 奏者の近傍数m以内で聞こえる音、
 奏者から10m以上離れた場所で聞こえる音、などなど、
というのは、かなり違うようですね。

しかもその違いというのが、
 奏者の耳元や近傍ではゴリゴリした音に聞こえる
のが、
 奏者から離れると綺麗なよく響く音に聞こえる(ことがある)
という変化であると。

(この変化に関して、こちらの記事に聴衆としての感想を書きました。)
(この変化の方向は管楽器やヴァイオリンとは相当異なる、むしろ反対のものではないかと思うのですが、それはまたいずれ)

ここでもしも、
離れた場所にいるお客さんに聞こえる音を、
基準にするのであれば、
「試奏したときの音では楽器は選べない」
ということになってしまいます。

もちろん、「試奏したときの音」、
奏者としての自分に聞こえる音から、
離れたところで聞いたときに、
それがどう聞こえるか判断できれば問題ありません。

おそらく演奏家の方であれば、
「こういう音なら客席ではこんな感じで聞こえるのだろうな」
と想像することが出来るのでしょう。
(ということを、私の先生から聞きました)

ですが、普通、初心者には出来ませんよね、この変換。
少なくとも私はムリ。

で、解決策は・・・とその前に。

もうひとつ考えないといけないことがあります。

私のような「大人の趣味」として演奏する愛好家として、
「どこで聞こえる音を基準にするか?」
ということです。

職業としての演奏家であれば、
自分にどんな音が聞こえていようと、
会場の聴衆全体に良い音が届けばOK。
聞き手のために演奏するのですから、
これは当然。

しかし、趣味であれば、どうなのでしょう。
誰が、どこで聞いたときに、
「良い音」であればいいのでしょう。
その選択は、その人に任されています。
好きなところを選ぶことができます。

そもそも、
人に聞いて頂くのを前提にしないのであれば、
自分のところでよく聞こえれば、
それでいいではありませんか。

あるいは、
せいぜい数名までの小規模な合奏で、
やはり聴衆がいないのであれば、
共演者にまでよく聞こえればOK。

仮に聴衆がいたとしても、
それがたとえば12畳程度の、
小さな空間であれば、
やはりその空間だけでよく聞こえればOK。

もしもそれなりに大きなホールでの、
独奏や室内楽の演奏を基準にするのなら、
この場合は、
専門の演奏家の方と同じ基準になるのでしょう。

という点を、「大人の趣味」として楽器を選ぶには、
考えておく必要があるのではないだろうか・・・
と、ちょっと思ったのでした。
(実際は相当まで、奏法の問題なのかなという気もしています)

では改めて。

距離はともかく、
聴衆に聞こえる音を基準にするとしましょう。

そして、
「試奏者に聞こえる音と、聴衆に聞こえる音は異なる」
という問題を、
初めて楽器を買う初心者が解決するには。

誰かに弾いてもらえばOK、ですね。

これはあっさり解決。
経験の豊富な同行者の方に弾いていただき、
適当な距離まで離れてその音を聞く。


さて、以上二回で、
はじめて楽器を買う初心者が、
「どうやって」楽器を選ぶべきか、
について書きました。

・「どんな楽器」を決めたうえで、
・経験豊富な方(理想的にはチェロの先生)と同行し、
・部品交換や調整を前提として楽器の性能・特徴を判定し、
・弾いていただいて、離れたところからそれを聞く

という方法が、
今のところ、初心者である私が思うところの、
「どうやって」です。

なお、読者の方から頂いたコメントにて、
「楽器店選び」が大事である、
というご指摘を頂いております。

なるほどもっともだと思うのですが、
そうすると次は、
「どうやって楽器店を選ぶべきか」
ということを考えなくてはなりません。

というのは、
「はじめての楽器選び」ですから、
そもそも弦楽器店というものを、
全然知らないのです(私は、です)。

そして、
・信頼できる弦楽器店
・信頼できる工房、製作家
というものがあるのだろうということ、
そしてそれを見極めるのが大事なのだろうということは、
話に聞いてとても納得できるのですが、
その選択基準について、
今の私にはほとんど見当がつきませんので、
宿題にさせていただくということでご容赦願います。

ではでは。

次回は(予定では)このシリーズの最終回、
ある意味ではもっとも重要ともいえる、
「楽器の価格」すなわち、

  初心者はいくら楽器に出すべきか

について、考えを書いてみようと思います。



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はじめての楽器選び (3)試奏の不思議

前回の記事に引き続き、
「はじめての楽器選び」として、初心者である私の思う、
「初心者はどのような楽器をどうやって購入すべきか」を、
書いておこうと思います。



突然ですが、私は一応、理系の研究者です。

(「一応」は、「理系」と「研究者」の両方を修飾していまして、
それには理由もあるのですが、音楽とは関係ありませんし、
ここでは書かないことにします。)

学問の世界で重視されるのは、事実と論理。
事実に反すること、
論理的に間違っていることは、
徹底的に排除されます。
(念のため付け加えますと、
「感情」は事実の側に入ります。
無視されているわけではありませんのでご安心を)。


というわけで、今日の記事は理詰めです。
読みやすくないと思いますが、
興味のある方はどうぞお付き合いくださいませ。

さて、ということですので、
音楽、楽器についても、
論理的に整合しないことがあると、
落ち着かなくてしょうがありません。

それはきっと、
・どちらかが間違っている
・両方とも間違っている
・両方とも正しいが条件の限定が必要
・両方とも正しいが用語の定義が異なる
のうちのどれかであろうと思うのです。

そして「楽器選び」に際して言われることで、
私が感じる、非常に大きな食い違いがありまして。

それが、
(1)楽器を試奏して選ぶべきである
(2)楽器は部品の選択や調整によって大きく変わる
の二つです。

なお、後者の「部品」とは、
 弦、駒、テールピース、テールガット、
 エンドピン、ペグ、さらにウルフキラーなど。
「部品」とは言いづらいですが、松脂も加えましょう。

「調整」とは、
駒や魂柱の位置の調整からペグ穴の削り直し、
ネックの着け換えまで、
すでに完成している楽器に対しての工作全般を指します。

上記(1)と(2)、あちこち話をきいていると、
どちらも当然のこととされているようです。
ところがこれ、矛盾しています。


(1)楽器は試奏して選ぶべき、というのは、
実物を見て、弾いてみないと、
その楽器がどういう楽器か分からない。
どのような性能であるか、細部の造作は丁寧になされているか。
それに色々な楽器を試さないと、
自分がどういう楽器を好むのかも分からない。
というような理由でありましょう。
さらには、
その弦楽器店や工房の仕事ぶりを確かめることも、
出来るかもしれませんね。


ところが、
(2)楽器は部品の選択や調整によって大きく変わる、
が事実であるとすると、試奏しても分からないはずなのです。
部品を交換したり、調整し直したりすれば、
試奏の時点で感じられた楽器の性能・特徴が、
変わってしまうはずだからです。

つまり、(2)が正しいなら、そして、
購入後にも部品の試行錯誤と調整をするのならば、

「楽器は試奏しても選べない」
「楽器を試奏して選んではいけない」

ということになってしまいます。
これが私が「落ち着かなくてしょうがない」ところ。


とはいっても、
私ごときでも気づくような矛盾が、
そのまま放置されているわけはなかろうと思い、
それを解決する方法があるはず、として、
考えてみました。

(1)と(2)を両立させる方法が、少なくとも二つ、ありえます。

ひとつは、
部品の様々な組み合わせと、
再調整とを繰り返し行い試奏すること。

もうひとつは、
どれだけ部品変更や調整を行っても変わらない、
その楽器に固有の性格・性能を見抜くこと。

一つ目はあまりにも膨大な時間がかかってしまい、
弦楽器店の方にはそのような対応はお願いできませんでしょうし、
その場で可能な調整にも限りがあるでしょう。
プロの演奏家の方ならともかく、
私の立場(大人の趣味)では事実上不可能です。

二つ目はまだ見込みがあります。
というか、私が想像しますに、
多くの演奏家の方、指導者の方、さらには弦楽器店の方は、
実際にこれをしているのではないでしょうか。
ある状態の楽器を検分・試奏して、
その時点での性能や特徴を確認。
次に(あるいは同時に)その楽器の現在の部品選択、調整状況を確かめる。
そして、もしも部品を交換すればどうなるであろうか、
あるいは調整を施せばどうなるであろうかを想像する。
もしこういうことが出来るのだとしたら、それは、
調整や部品選択によっても変わらない、
その楽器固有の性能・特徴があり、
試奏・検分によって、
それをこそ見抜こうとしているということになります。

そんなことが実際に出来るのでしょうか?

これについては、
もちろん、私は出来ません(笑)
つまり、ある楽器を見て、試奏したとして、
そのときに私が感じる楽器の性能・特徴のうち、

 どれだけが楽器に固有のもので、
 どれだけが部品の選択によるもので、
 どれだけが調整の状態によるもので、
 どれだけが奏者の腕(つまり私)によるものか。

さっぱり分かりません(笑)

しかし、
私が未熟なのは当然なので置いといてですね、
一般的にいえば、
分かる人はいるはずです。

経験を積んだ演奏家、指導者、あるいは弦楽器販売店の方、
そして大事なことですが当然ながら、弦楽器制作者の方々は、
それが分かるはずです。

というのは、
職業のための道具として楽器を購入(あるいは販売)する立場からは、
それが分からなければ、
楽器を購入出来るはずがない、
あるいは販売するときに価格をつけられるはずがない、と思うのです。

一方で、
制作する立場からはもっと当然のはずで、
このような材料をこのように工作すれば結果はこうなるはず・・・
ということが想像出来なければ、
各工程を自信を持って進められないのではないか?と想像します。
少なくとも私が制作者であれば、それを見抜こうとします。
(完成して駒を立て弦を張り、音を出してみるまで分からないのでは、
 どう作業していいのやら・・・と思うのです)

これらの方々は、楽器固有の特徴・性能を、判断できるはず・・・です。

*    *    *    *

以上、
試奏に関して私が感じていた矛盾から、
経験を積んだ人々ならば、
その矛盾を解決しているに違いない、
という推論を述べました。

(とはいえ、いかんせん私は全く無知ですので、
 それぞれのご専門の方から見れば、
「なにを今さら」といわれるような至極当然のことか、
「いやそれ全然違うから」ということなのかもしれませんが。)


長くなりましたので、続きは次回の記事にしますね。
次回は、上記のような推論のもと、
では、
初心者はどうやって楽器を選んだらいいのか?
について、
私の思うところを書こうとおもいます。




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はじめての楽器選び (2)どんな楽器?

前回の記事で、私のチェロ「ククーロ」を購入したときの顛末を書きました。


初心者が、はじめての楽器を買うときに、
 どんな楽器を選ぶべきか?
 どうやって楽器を選ぶべきか?
について、色々なご意見があろうかと思います。

色々な立場のプロの方がこの業界にはいらっしゃいます。
チェロや他の弦楽器の演奏家の方、
同じく先生方、
弦楽器制作者の方、
弦楽器店の方など、ですね。

Web上でも、著書でも、
また直接お会いしたときにでも、
これら、専門家の方々の、
ご意見を伺うことが可能です。

ですので、ここでは、
私の立場から思うことを書きますね。
(というか、それしか書けませんが)。

私の立場とは、
・大人の趣味として、
・自分が楽しむために楽器を学習する、
・初心者で、
・はじめてチェロを購入する
というものです。

課題は二つ。
・どんな楽器を選ぶべきか?
・どうやって楽器を選ぶべきか?

(実際には両方が絡んでるわけですが、
 考えを整理するには分けたほうが都合が良いと、
 私は感じています。楽器そのものと、入手方法と。)

*     *     *     *


今回は、「どんな楽器を」から参ります。

ずばり、
「楽しく上達できる」
楽器が、良い楽器だと思っています。

色々な要素がありますが、
ビジネス・プレゼンテーションの要領にしたがって、
まずは要点を3点にまとめましょう。

○力む必要がない (鳴りとそのバランス)
○上達を支援してくれる (弾き方への反応と愛着)
○修理の必要が少ない (頑丈さ、つくりのよさ)

では具体的に。


あ、そうそう、チェロだけでなく、弓も大事ですね。弓のほうが大事だ、という方もいらっしゃるほど。ですので、
初心者(つまり私)にとって、「いい楽器・弓」とは。です。
ついでですが、楽器の「価格」は「どうやって」のほうに入れることにしましたので、ここではモノそれ自体への要求スペックです。


・弾き易いと感じる
・無理なく発音できる
・正しく弾けばよく鳴ってくれる
・正しく弾かなければあまり鳴らない
・鳴りの良さにムラが少ない
・音色が好きになれる
・重量が重過ぎない
・外観が美しい
・形が好きになれる
・仕上げが丁寧
・つくりがしっかりしていて丈夫
・気候の変化で狂いづらい

ざっとこんなところ。
順番に、簡単に、説明をしますね。

・弾き易いと感じる
・無理なく発音できる

チェロに限らず、初心者の楽器学習者の大きな課題は「脱力」だと思うのですが、楽器の反応が悪かったりすると、どうしても力みやすいと感じます。無理に鳴らそうとして弓を握り締め、弦に押し付けてしまう。(と、ますます鳴らなくなる)ということがない程度には、音の出が良いこと。この二つは弓によるところも大きいかと思いますが。あまり重たい弓だと(経験あり)、どうしても握ってしまうんですよねぇ。


・正しく弾けばよく鳴ってくれる
・正しく弾かなければあまり鳴らない
正しく脱力の出来た、そして適度に腕の重みがかかった状態で、適切な速度と位置と角度で弾けば、よく鳴ってくれること。そしてそのポイントから外れるとあまり鳴らないこと。という楽器があるのかどうか、分かりませんが、自分の弾き方が正しいかどうかを教えてくれる先生になってほしい、と私は思います。

・鳴りの良さにムラが少ない
弦によって、ポジションによって、あまりにも鳴り方がちがうと、そこにきたときに神経質になったり、力んじゃったり、特殊な弾き癖がついたり、しそうです。

・音色が好きになれる
音色が「違う」ということは、初心者でも感じます。その楽器の特徴的な音色を自分が好きになれること。高名で個性的な演奏家の音色(の印象)を私はモノサシにしています。(ヨーヨー・マ、ロストロ、マイスキー、シュタルケル、それにペレーニ。こう並べただけでも、それぞれの音色の雰囲気が浮かびますでしょう)

・重量が重過ぎない
教室まではバスと電車、さらに駅から10分徒歩。重すぎてはやってられません。弓の場合は別の意味で、もっと大事ですが。重量とバランスは弓の性能そのものですものね。

・外観が美しい
・形が好きになれる
このあたりは演奏それ自体とあまり関係ないかもしれません。もしも私がプロの演奏家なら頓着しないと思います。楽器は鑑賞ではなく演奏のために持つからです。でも、趣味でやってる私としては、見た目はとっても大事。外観だけでも愛着がわいて、毎日その顔を見たいと思えれば、練習しようという気になります。丁寧に扱いますし、手入れも怠りません。外観のよさが上達に繋がるのは(私の場合)、ほぼ間違いありません。そのため、おそらく、異常にも気づきやすいでしょう。

・仕上げが丁寧
これも外観とほぼ同じ理由で、丁寧に仕上げられた、手抜きせずにつくられたモノは、楽器でなくとも、大事にしたくなります。

・つくりがしっかりしていて丈夫
丁寧に扱うべきというのは当然ではありますが、やっぱり丈夫(に感じられる)ほうが安心できます。ただ私のモノ扱いが荒いだけかもしれませんが(笑) 

・気候の変化で狂いづらい
購入して半年の私はまだ経験していませんが(そりゃそうだ)、気候の変化で表板・裏板が浮いたりするそうですね。なるべくそうでないほうが嬉しいです。


とまあ、ずいぶんワガママですが、
趣味ですからワガママも当然。
だって自分が楽しむためだもの。


これ全部備えているモノが、
大人の趣味としての「初めての楽器」には、
良い楽器だと思っています。
「楽しく上達できること」
これが目的ですから、ね。


以上、私が思うところの、
初心者が「どんな楽器を」買うべきか、
でした。


もういちど、3点のまとめを。


○力む必要がない (鳴りとそのバランス)
○上達を支援してくれる (弾き方への反応と愛着)
○修理の必要が少ない (頑丈さ、つくりのよさ)


またしても長文になりましたね。
お付き合いありがとうございます。
次回は、「どうやって」について書こうと思います。



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はじめての楽器選び (1)チェロ購入記

こちらの記事で、私のチェロ「ククーロ」を紹介しました。
ハンドルネームと楽器の名前が同じなのは、
ブログをつくったときに,
楽器の名前をハンドルにしてしまったからです(笑)

おかげさまで大反響でして、
これまでの当ブログの記事では、
ヨーヨー・マの自虐ジョークを超える、
11件のコメントに。

さて。

弦楽器の購入。
多くの方にとって、決して安い買い物ではありませんし、
それなりの期間使い続けることを意図しますから、
楽器選び、楽器屋さん探しには、みなさん関心があるようですね。
私がこの楽器を購入するときにも、
Web上の色々な情報を参考にしました。

もしかすると、
これから楽器購入を考えている方の参考になるかもしれませんから、
恩返しも含めて、私の楽器購入の顛末を書いておきます。

・・・といっても、実際にはほとんど直感で「これだ!」と思ったのを試奏もせずに買ってしまったので、顛末というほどのものではありませんし、私が思うところの「こうやって楽器を選ぶべき」にも全くそぐわないのですが(笑)、ここでは事実の記録ということで。

*     *     *     *


自分の楽器を買うこと。
それもなるべく早く。
これはチェロを始めるときに、
決めていました。

いえ、というのはですね、

私が習っている教室では、
チェロを借りることが出来ます。
しかし、始めてから二ヶ月まで、
という決まりがありまして。

見ようによっては甚だ不真面目な理由ではありますが、
チェロを続けるには自分の楽器を買うしかないのでした。

(もちろん、入会前からそのことは知っていましたし、入会時にも説明は受けました。ですので、当初からそのつもりで準備はしてましたが)

条件は二つ。

(1)予算に収まること。
予算は最初から決めていました。
楽器、弓、ケースを合せて50万。
先生にも相談しましたが、
「だいたいそれくらい出しておけば、
 当分は楽しめると思うよ」
とのことで。
腕が未熟なのを、
「楽器のせいにできない」程度には、
よい楽器を、と思っていましたが、
先生の話からも、
方々できく情報からも、
これくらいの価格でどうやらいいようだ、
と考えました。

(2)愛着を持てること
楽器に限らず、道具への愛着は、
とても大事なものだと私は思っています。
道具に愛着が沸けば、
またそれを使うのが楽しみになります。
丁寧に扱おうとしますし、手入れも怠りません。
それに何より、
私は楽しむために音楽をしています。
ともに音楽を楽しんでいける、いきたくなる、こと。
それには楽器そのものの性能もありますが、
全般的な「つくりのよさ」、
そして、見た目、仕上げが美しいこと。
これも必要だなあと思っていました。
見た目が美しければ、
また明日も顔を見たいと思いますよね。

と、いう二つの条件を決めておき、
相場を調べてみようと思ってWebを徘徊していたときに、
クライスラーミュージックに行き当たりました。
「Cao工房」(現在はGCV工房に名称変更)の楽器を
取り扱っている、基本的にはWeb専門の弦楽器店です。

Cao工房の楽器について、
特に低価格帯の楽器で、
抜群にコストパフォーマンスがいいらしい、
という評判を聞きます。
Cao工房について、
ヴァイオリン教師でもあるお店の方が、
書かれています。(こちら)
そこでも、
低価格で生徒用に十分な性能、
という楽器を探していたということが
書かれています。
同工房にほれ込んでらっしゃる様子も、
HPのあちこちから伝わってきました。

また、同工房のチェロについて、
音大の先生による評価が掲載されています。(こちら)
そこでも、価格を十分に超える性能である、
というようなことを書いてらっしゃいます。
(イニシャルは「K」教授。関西(多分)の音大で、
 チェロの先生でKさん。「あの方かも?」と思い当たりますが・・・)


そしてチェロ。

まず予算について。
価格帯はおおむね20万弱~60万程度までの種類、
その中ではしたかの「750E」というのが、
30万円超くらいで、私の条件にあてはまります。
弓も同店の扱う中では10万円程度のものが最も高価で、
これも予算の条件を満たします。

次に愛着について。
えーっと、ですね。あれこれ考えてはいたものの、
結局これで買ってしまったのですが(笑)
ゴフリラー・モデルの写真を見て、
その佇まいに一目ぼれしてしまいました。
出会っちゃった、という感じ。
色合いなどはモニタによって、
また撮影の状況によって全く変わりますが、
それでも綺麗なものは綺麗と分かりますよね。
実際にはただ「綺麗」というだけでなく、
何か「訴える」ものを感じたような気がして、
他にもストラディヴァリ、モンタニャーナ、
それにロッカ・モデルもあったのですが、
ほとんど見向きもせず。
(女性はコートでこれを経験するそうですね)

予算にも収まっていますし、
ゴフリラーの名前はカザルスで知っていましたし、
性能/価格比が抜群というのは本当っぽいし、
調整は近くに工房もあるし、
関西だからいざとなったら返しに持っていけるし、
という自分を納得させるための理由も沢山つけまして、
しかしあまり迷わず、
サクっと注文してしまいました。

届いてみて。

見た目はばっちり。最高。
一方、楽器の性能としてそれが良い楽器なのかどうか、
なんといっても楽器を始めたところでしたので、
正直なところ判断がつきませんでしたが(笑)、
先生にも価格にしてはいい楽器だと言って頂きました。
むしろ弓のほうにより感心されていましたが、
弓についてはまたそのうち撮影しようと思います。
サルトリ・モデルです。名前はまだありません(笑)

なお、購入をお考えの方のために、
クチコミ的情報をさらに付け足しておくならば、
クライスラーミュージックの方の対応はとても
気持ちよかったです。
入金確認から発送まで、多少日数がかかりましたが、
(3日くらいだったと思います)
それもHPと確認メールに明記されていましたから、
私にとっては全く問題ありませんでした。
そうそう、
出荷前の調整中にうっかり弦を切ってしまった、
しかしその弦の在庫がない、他の弦を張るがよろしいか?
との電話がありました。
始めて一ヶ月の私ですから、弦にこだわりがあるわけもなく、
もともとオブリガート(一式3万円くらい)が張って合ったのを、
ついでなので、全部スピロコア(一式1万2千円くらい)に
替えてもらいました。
梱包はダンボールですが、超・厳重。
箱だけでなく、中にも緩衝・支持用のダンボールが大量に。
楽器を出した後の始末に一苦労でした。


以上、ククーロの購入記でした。


ここで、
私が一度も試奏をしておらず、
また現物も見ておらず、
さらに「先生に同行して頂いて・・・」
というようなこともしていない、
ということに気づかれた方もあるかと思います。

一般的に、
このような買い方は良くないとされていますし、
実は、その通りだと私も思うのですが、
私が今のところ思う、
「はじめて楽器を買う初心者」が、
「どのような楽器を選ぶべきか」と、
「どのようにして楽器を選ぶべきか」について、
本日は長くなりましたので、
また別記事にて書きたいと思います。

長文お付き合いありがとうございました。



追記:

なお、Goffrillerのカタカナ表記には色々見受けますが、
クライスラーミュージックHPでは、
「ゴフリエー」と表記されていました。
私は一番聞きなれているのと、発音しやすいのとから、
「ゴフリラー」と表記、発音しています。
現地語でどのように聞えるのかは知らないのですが、
いずれにしても日本語発音ですし、
欧州の方々は皆さん自国語読みされるようですし、
あまり目くじら立てることもなかろうと思っています。



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テーマ : チェロ
ジャンル : 音楽

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プロフィール

ククーロ

Author:ククーロ
18歳のときに「チェロを弾こう!」と決め、28歳でようやく始めました(2009年2月)。練習の記録と好きな音楽の紹介をしています。よろしくお願いします。京都在住です。


◆ お気に入りCD ◆

アクアトリニティ
水の薫り
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サイトウ・チェロ・アンサンブル
クレンゲル「讃歌」
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ヨーヨー・マ
ソング・オブ・ジョイアンドピース <歓喜と平和の歌>
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トゥルルス・モルク
ショパン・チェロ曲集
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ミクローシュ・ペレーニ
ウィグモア・ホールライブ
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◆ 愛用スピーカー  ◆
 Timedomain Light
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◆ 愛用の消音器 ◆
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◆ 今弾いてる楽器  ◆
Cao工房 ゴフリラーモデル
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