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中庸の美 ペレーニ&シフ シューベルト/アルペジョーネ・ソナタ [チェロCD No.8]

280.jpg




前項に引き続いて、再びペレーニさんの演奏を。
ヴォカリーズのところで書いたように、
私が氏のチェロを初めて聞いたのがこの曲、
アルペジョーネ・ソナタでした。
(アルペジオーネ・ソナタと表記されることもあります。)


同じドイツ・前期ロマン派でも、
ブラームスのような濃ゆい感じはあまりしないです。
かといって枯れた渋い曲では決してありません。
シューベルトと言えば、
「歌曲の王」と呼ばれるくらいですから、
この曲も美しいメロディでいっぱいです。
全体に明るいし、
全曲ちゃんと聞くと幸せな気分になれます。
3楽章で長さも手頃。

そしてペレーニさんのこの録音。
あくまで私の感性では、ですが、
過不足なくぴたっと、はまります。

「これしかない!」ところに、
「これしかない!」音量で、
「これしかない!」音色を、
聞かせてくれます。

まさに絶妙。
ピアニストのシフさんとの息もぴったりです。
そして、
ところどころにあるロングトーン。
そのメゾピアノの美しいこと!

どう考えても弓先で弾いてるはずなのに、
どう考えても弓先で弾いてるとは思えない音が、
聞こえてくる。
チェロ初心者の私としては、
魔法としか思えません。
それか1メートルくらいの長い弓(笑)

ペレーニさんの存在を知ってから、
録音を集めようとしました。
しかし、ご存じの方はご存じのように、
彼の録音は数もそれほど多くないうえに、
入手しづらいものが多いのです。
アナログレコードのCD化もあまりなく。
(やっぱり大きなレーベルへの録音が少ないからでしょうか)

CD店の店頭ではまず見つかりませんし、
WEB通販でさえ、取り寄せになることがほとんどです。
HMVでは扱いがありますが、
Amamzonではほとんど見つかりません。

この録音も、
Youtubeの動画(同じ人たちの別の演奏です)を見て以来、
なんとか手に入らないものかと思っていたのですが、
なかなか見つかりませんでした。

それがあるとき、
ようやく検索にひっかかったのが、
ペレーニさんではなく、
シフさんのほうの、
全集ものでした!

冒頭上掲のジャケットがそれ。
(↑この表現(四字熟語?)は、
 とあるプロのヴァイオリニストの方が、
 ご自身のブログで多用されているものです。
 便利な表現です。)

なお、このボックスセットでは、
シューベルトとモーツァルトのピアノ三重奏でも、
ペレーニさんの演奏を聴くことができます。

閑話休題。
シューベルトのアルペジョーネ・ソナタに戻りまして。

今ではチェロの名曲として演奏されていますが、
もともとはその名の通り、「アルペジョーネ」という楽器のための曲だったとか。
たいていアルペジョーネについては、
「こういう楽器があったらしいよ」
という紹介のされ方をしています。
ガンバとチェロのアイノコみたいな変な楽器があったらしい、と。

しかし今では、
最近の古楽・古楽器の復興(流行?)のおかげで、
復元楽器による演奏を聴くことが出来ます。







・・・うーん。こういう音楽だったのでしょうか。
チェロの演奏になれた耳には奇妙に聞えますが、
こういうものだったのかもしれません。

とはいえ、
もともとシューベルトがどう考えていたにせよ、
あるいは当時どのように演奏されていたにせよ、
チェロで弾いてあれだけ美しいのですから、
これからも、
「チェロの名曲、アルペジョーネ・ソナタ」
でありつづけるのでしょう。


---------------------------------------------

本日紹介致しました演奏は、
 シューベルト 作曲  アルペジオーネ・ソナタ
 チェロ  ミクローシュ・ペレーニ
 ピアノ  アンドラーシュ・シフ
でした。

280.jpg  HMV
icon
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テーマ : チェロ
ジャンル : 音楽

練習記録 その4 息づかい


今日は久しぶりにレッスン。
腰の調子が悪かったり、
しばらく海外に出張してたりして、
ノビノビになってしまいました。

曲は最近練習していたユーモレスク。
自分のための備忘録を書いておきます。


(1) 7ポジション
・楽器と手首の位置関係でだいたいの場所を覚える
・下からポルタメントで上がれば正確な音をとることができる
・弦の右側に指先を落としておけば弦からはずれない。
 ヒジから先が円運動になりやすい。それだと真っ直ぐに手が動かず、
 結果として弦上から外側に落ちてしまいやすい。
・次の指を弦に置いてからポジション移動。

【おぉ、これは便利】


(2) 運弓
・先を見越して弓のどの部分を使うかを考える
・一般的には高いポジションほどコマ寄りを弾く
・たっぷり弓を使うには指板寄りを弾く
・ディミヌエンドしきれずに終わらないよう、弓先を少し残すつもりのほうがいい

【頭使う。必死で弾いてると忘れてしまう】


(3) 弓の持ち方
・にぎらない
・親指を弓のしたにもぐりこませないように
・握らなくても大きな音がでる、場所と速さ
・弦に押し付けてしまうと弦が上下に動けなくなってしまう
 上下とは表板に対して鉛直方向。魂柱と同じ向き。

【最近なんか右手がすべるなーと思ってたら・・・】


(4) 呼吸
・変わり目ではっきり息を吸う。ロンド形式なので変わり目ははっきりしている
・次の「音楽」にあった息の吸い方をする
・弓をもどす動作も息と連動させる。動作それ自体も美しく
 動作が美しくないとき、おかしな音がなることが多い
・息継ぎの印は5線の上にでっかく書いておくといい
 普通のブレス記号だとアップボウと見分けがつかない
・合奏の合図にもなる

【驚くほどかわった!こんな音が出るとは!】


(5)音楽
・合奏相手の音の流れを意識。頭の中で歌えるとよい。声は出さないほうがいい
・ストーリーにあわせて弾き方をかえる
・ある程度の様式、決まりごとはあるが、どう弾くかは奏者が考える
・色々な表現が出来るように技術を身につける

【こんな風に弾きたい、をかなえるのが技術。】


 
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テーマ : 楽器
ジャンル : 音楽

美しく、ただひたすらに美しく  ペレーニ ラフマニノフ/ヴォカリーズ [チェロCD No.7]

581.jpg


今日紹介するのは、
ハンガリーのチェリスト、
ミクローシュ・ペレーニの小曲集から。

 ラフマニノフ作曲:ヴォカリーズ
 チェロ:ミクローシュ・ペレーニ
 ピアノ:ゾルタン・コチシュ

「ヴォカリーズ」はもともと歌曲。
ソプラノ歌手が歌いますが、
あまりにもその旋律が美しいために(たぶん)、
器楽にも編曲されてよく演奏・録音されています。

ヴァイオリンやチェロの小曲集でも定番中の定番。
たいてい入ってます。

そのため、私の手元にもいくつかの録音があるのですが、
今日は知る人ぞ知る現代の名手、
ミクローシュ・ペレーニ氏の小曲集CD、
「チェロ アンコール集」
への収録を紹介したいと思います。

私がペレーニ氏の演奏をはじめて知ったのはYoutubeで、
シューベルトのアルペジョーネ・ソナタを、
アンドラーシュ・シフ氏のピアノと録画したものでした。

はじめ、タイトルだけ見て、
「シフ・・・ああ、ハインリヒ・シフさんのチェロかな?」
と勘違い。

勘違いしたまま音を聞いてぶっ飛びました。
「え?え?シフってこんなきれいなチェロ弾く人だっけ?」
とてもチェロとは思えない。
高音なんてヴィオラみたい。

で、タイトルをよくよくみると、
 アンドラーシュ・シフ(ピアノ) & ミクローシュ・ペレーニ(チェロ)
 シューベルト アルペジョーネ・ソナタ (アルペジオーネ・ソナタ)
だったわけです。

シフ&ペレーニのアルペジョーネ・ソナタは、
シフの「室内楽&協奏曲集」7枚組(たぶん)に入っています。
Youtubeで私が見た演奏とは違う録音ですが。

おっと、ヴォカリーズの紹介をするつもりで、
アルペジョーネ・ソナタの話ばかりしてしまいました。

ペレーニさん、
チェロを弾く人の間では有名なようです。
先日ラフマニノフで紹介した、ソリストの長谷川陽子氏、
N響の首席奏者、藤森亮一氏も、
氏の演奏を絶賛しておられます。

ただ、大手レーベルへの録音が少ないからか、
あるいはその渋い演奏スタイルからか、
はたまたご本人の謙虚な人柄からか、
知名度はイマイチ。

でも私は上記の動画を見て以来、病み付きです。
CDは若干入手しづらいのですが、
HMVでは比較的、取り扱いがあります。
オークションにもときどき登場します。

彼の若い頃に録音したというバッハ・無伴奏チェロ組曲を、
いつか聞きたいと思っているのですがまだかないません。
(Yahooオークションで3万~10万円くらいで出品されています・・・)

で、冒頭ジャケットのCD。
14曲入っています。
ペレーニさんはどの曲も、ただその曲のそのままに、
トツトツと弾いていきます。
 パガニーニ、
 シューベルト(楽興の時、の編曲)
 メンデルスゾーン(無言歌)
 ポッパーのマズルカ
 ショパン(ノクターン、の編曲)
 フォーレ(夢のあとに)
 サン=サーンス(白鳥)
 フォーレ(蝶)
 ドビュッシー(小組曲の編曲。これが意外にいいのです)
 コダーイ(カプリッチョ)
 ダヴィドフ(泉にて)
そして、
 ラフマニノフのヴォカリーズ。
最後は、
 リムスキーコルサコフ(熊蜂の飛行)で終わります。

どれもいいのですが、特に、
ラフマニノフのヴォカリーズは絶品です。
他の曲では「私はこんなところが好き」というのを書けるのですが、
これはただただ美しい。もうそれだけです。
いつかこんな音を出せるようになりたいです。



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本日紹介致しました演奏は、
 ラフマニノフ作曲  ヴォカリーズ
 チェロ  ミクローシュ・ペレーニ
 ピアノ  ゾルタン・コチシュ
でした。

  581.jpg
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テーマ : 音楽
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練習記録 その3 音程の取り方と大人学習者の有利・不利

今日もユーモレスク。

左手。

D線のEが高くなりがち。

私は絶対音感がありません。
だから、演奏中の音程のとりかたは二つ。

ひとつめ。
前の音からの音程を相対的にとる。

ふたつめ。
解放弦の共振でたしかめる。

こわいのは、
前の音を基準にして次つぎとっていくから、
一回、外れた音をとってしまうと、
しばらく戻れないことです。

外したことに気づかずに、
ちゃんとメロディを弾いてるつもりでいると、
解放弦が出てきたときに「うぇっ」ってなります。

そういうとき、たいていは、
「なんか共振しないなー、外してるのかなー」
と思っていて、
弾き進んで解放弦が変な音程(笑)で鳴ると、
「あー、やっぱり」と。

大きく外すのは、
たいていはポジション移動をしたとき。
そして今日発見したのは、
より低いポジションに来たときのほうが、
より高いポジションに行ったときより、
外しやすい、ということ。


最初に練習したのが第1ポジションでした。
それに慣れてから、
第2、第3・・・第7と、
だんだん高いポジションへと練習が進んできました。

この練習体系だと、つねに、
「より高いポジション」=「より新しい課題」
となります。

それで、練習者である私としては、
ポジションが上がるときには、
結構意識して「とりにいく」のです。

しかし、
下がるときには、上がるときよりは、
神経を使ってない。みたい。
だってもうやってあるし。
いつものところに戻ればいいんでしょ?
みたいな感じ。

いやいや、違うんですよね。
その1。
「いつものところ」といえるほど、
まだわたしは低いポジションを身につけてない。
その2。
その場所に「いる」のと、
その場所に向かって「移動する」のは、
全然違う。

書いてしまうと、
あまりにも当たり前ですが、
そういう当たり前のことが、
当たり前にできるようになるには、
相当意識的にやらないと身に付かないぞ、
と思ったのでした。

*    *    *    *


絶対的な練習時間が短いのが、
大人になってから楽器を始めたことの不利な点だとは思います。

しかし、
様々な知識や技術を身に付けてきた経験から、
演奏技術の構成要素を理解し、
現状を客観的に観察し、
課題に意識を集中して実践することも出来ます。

子供の頃の私は、
全くこんな思考はできなかったでしょうし、
高校生の頃、ギターを弾いていたときにも、
やっぱりここまで意識的には練習出来ませんでした。

もうひとつは先生との関係。
子どものころは、先生との間に大きなスキマがあります。
とても明確な上下関係で、
先生に対して言えること・言えないことがあります。
私の場合はむしろ、何が言いたいかにさえ、
気づいていませんでした。

今ならお互い社会人ですから、
先生に疑問をぶつけることも、
遠慮なくできます。

目上の方と建設的な対話をすることが出来る、
という技術・マナーを手に入れられたことは、
大人になってよかったなぁと思うことの一つです。


一方で、
自ら考えることが、
習得のジャマにならないように、
「先生がそう言うんだからやってみよう」
という素直さを、
意識的に維持することも出来ます。


大人の学習者の有利さを最高度に活かしつつ、
その不利さを補っていきたいと思います。






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むせび泣く弦 トルトゥリエ フォーレ/エレジー [チェロCD No.6]

tortelier_.jpg


チェロを習い始めた頃、先生に、
「どんな曲が弾きたい?」
と聞かれました。
多少難しくても、その曲を目標に練習していこう、と。

いつかは弾きたい曲というのは沢山あるのですが、
近い目標として何がいいかなーと、
手元にあった小曲の録音をいくつか聞き返して、
「これだ!」
とピンときたのがこの曲、
 フォーレ作曲 「エレジー」
です。

エレジー(elegy)というのは「悲しい歌」、
日本語では「悲歌」ともいわれます。
同じタイトルの曲は他にもあるので、
「フォーレのエレジー」と呼ばないと分からない。

私がこの曲と出会ったのは、
youtubeのジュリアン・ロイド・ウェバーの演奏でした。
それで「おぉ」と思ったのがきっかけで、
いくつかの録音を集めています。
チェロ小曲集に入っていそうで、
なかなか入ってないんですよね、この曲。
AmazonやHMVのサイトでも、
あんまりヒットしないんです。
フォーレ作曲「夢のあとに」の録音は沢山あるのですが、
これはもともと歌曲だし。

マイナーな曲を偏愛している方、
結構いらっしゃると思うのですが、
苦労して集めてるんでしょうね。


で、この曲。

くらーい曲調ではじまります。
でも、
静かで暗いのではなく、
ピアノがコードを8つ刻んだあと、
いきなりフォルテでバーンと入ります。

冒頭から朗々と嘆き節。
幕が上がったらいきなり大泣き。

私は最初の瞬間で一気に引き込まれてしまいます。
心の準備をしておかないと、ちょっとびっくり。

ひとわたり、盛り上がったり沈んだりしたあとに、
ぽっと明るいところがあります。ピアノがメロディ。
幸せな過去の回想のように私には聞こえます。
さんざん大音量で大泣きされた後ですから、
ちょっとほっとするのです・・・が。
それも束の間。

激情はどんどん盛り上がり、
速い音符を駆け上がって、
上り詰めると再び、最初の嘆き節に戻ってきます。
最後は暗い淵にゆっくりと沈んで終幕。

今回紹介するのは、
お国のチェリストということで、
フランスの名手、ポール・トルトゥリエの録音。

彼のチェロは「しっかり鳴らす」印象。
野太い音色は必ずしも私の好みではないのですが、
この録音には二箇所、たまらないところがあるのです。
(中間の猛烈なクレッシェンドと、最後の一音)
それに、ときどきふと見せるさりげないポルタメントもツボ。


この曲を弾きたい、と先生に持っていったら、
「えらい難しい曲を・・・」
と笑われました。
あまり「近い目標」にはならないかもしれませんが、
チェロの魅力たっぷり、
ヴァイオリンや歌曲からの編曲モノとは違う、
根っからチェロのための小曲です。



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本日紹介した演奏は、
 フォーレ作曲 エレジー
 チェロ ポール・トルトゥリエ
 ピアノ  エリック・ハイドシェック
でした。


tortelier_.jpg Amazon ・ HMV(フォーレ室内楽全集)icon ・ 楽天ブックス

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テーマ : チェロ
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プロフィール

ククーロ

Author:ククーロ
18歳のときに「チェロを弾こう!」と決め、28歳でようやく始めました(2009年2月)。練習の記録と好きな音楽の紹介をしています。よろしくお願いします。京都在住です。


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ショパン・チェロ曲集
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