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素晴らしい「であいもの」  マイスキー 久石譲/おくりびと [チェロCD26]

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本日紹介します演奏は、
 CD マイスキー ベスト・アルバム より、
 久石譲 おくりびと
 チェロ ミッシャ・マイスキー
 ピアノ リリー・マイスキー
です。


以前から読んで頂いている読者の方ならご存知のように、
私は色々なチェロ奏者の演奏を、
あまりこだわらずに聴いています。

「この曲ならこの人の演奏が好き!」
という好みはありますが、
どのチェロ奏者の演奏も、
それぞれに、楽しんでいます。

まだ取り上げていない高名な演奏家の方は、
私がその方々の演奏を好まないからではなく、
これまでに紹介した曲では、
他の方の演奏のほうが私が好きだったからか、
まだその演奏を聴いていないか、です。

さて、本日紹介します演奏は、
「まだ取り上げていなかった」方のお一人、
ラトヴィア出身のチェロ奏者、
ミッシャ・マイスキーによる演奏です。
曲は久石譲氏の作曲による、
映画「おくりびと」のテーマ曲。

映画は映画館で見ました。
劇中の曲はわれらが古川展生さんが弾いてらっしゃいます。
だからわざわざ映画館にいったところ、
曲よりもお話のほうに感動!・・・ですが、
映画の感想はまた別の記事で。

マイスキー氏はこの曲を気に入ったのかどうか、
来日した際のコンサートでアンコールに弾いていた、と、
ダンベルドアさんmorpheus-celloさんのブログにて、
紹介されていました。

そう聞いて、なるほどマイスキーのチェロは、
この曲にぴったり合いそうだな、と思いました。

それで、こちらの記事のコメント欄にて、

「小曲集も(むしろ、小曲集が?)素敵なので、
今度だすときには是非、おくりびとも入れて頂きたいですね!」

と書きましたところ、

morpheus-celloさんより

「その、「おくりびと」ですが、すでにベスト版CDに入っておりますよ☆
映画に出てきた山形の山々が眼に浮かぶような、素晴らしい演奏です♪」


と、教えて頂きました。
それでさっそくAmazonにて注文。


感想は、素晴らしい!


演奏は予想通り、
劇中の古川さんのものよりも抑揚に富んだ、
超ロマンチックでたっぷりの演奏です。
あのホワッとした音色で、
テンポも音量も揺れる揺れる(笑)

おそらく、
これをして「不安定な演奏」と感じる方や、
濃すぎてウゥってなる方もいらっしゃるかと(笑)

そう、
これまでに「チェロCD」のカテゴリで、
マイスキーの演奏を取り上げてこなかったのは、
今までにとりあげた曲では、
彼のこういうスタイルが、
必ずしもピタっと来ないような気がしたからでした。


ただ、この曲に関しては、私は文句ナシです。


古川さんの演奏も素晴らしいものでしたが、
優しく大らかで、どこか、
懐かしさ、慈しみが感じられるこの曲と、
マイスキーの、
感情の起伏が大きく、
ファルセットのような独特の透明感のある響きは、
最高の取り合わせ、
正に「出会いもの」であるように、
私には思われます。



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本日紹介しました演奏は、
morpheus-celloさんに教えて頂きました、
 CD マイスキー ベスト・アルバム より、
 久石譲 おくりびと
 チェロ ミッシャ・マイスキー
 ピアノ リリー・マイスキー
でした。

4109040922.jpg Amazon楽天HMV
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であいもの

「でもの(出物)」というのは、レコード愛好家では昔から聴くことがですが、
「であいもの」は存じませんでした。なかなか良い言葉ですね。
マイスキーの演奏を聴いていると、のだめカンタービレのターニャの「くねくね」がわかるような気がしますね。
シューベルトの「冬の旅」の「辻音楽師」なんて、あそこまでねちっこく歌う歌手を聴いたことがない程です。
逆に言えば彼の歌への志向の強さ、それを表現出来るボウイングの素晴らしさでしょうね。
「おくりびと」は持っていませんが、彼のCDを聴いてみたくなりました。

Re: であいもの

えにお様

「出会いもの」という言葉は、料理の世界で使う言葉らしく、私は漫画「美味しんぼ」で知りました。筍と若布、ブリと大根、マツタケとハモ、などがその代表だそうです。またしても料理(笑)

マイスキーは演歌だ、といった人がいましたが、なるほどねちっこいですよね。だからドイツもののソナタなどでは敬遠される方がいらっしゃるのも、よく分かります。私はそんなに嫌いじゃないですが、ちょっと色物扱いしてるのが正直なところです(笑)。ターニャのくねくね・・・本当だ!

マイスキーの運弓はなんだか魔法のようです。最近感銘を受けたペレーニ氏の運弓とは、ある意味正反対ですが(笑)

No title

マイスキーの演奏は、曲により合う合わないがありますね。曲によって、あのビブラートがややモノトーンに感じることがあります。シューマンの協奏曲は、彼の演奏が私にはとてもしっくり来ます。「おくりびと」、映画も観ていないので、まずはそちらから鑑賞してみたいと思います。主演の俳優さん、この作品に出るために、チェロを習ったそうですね・・・。どのような曲なのでしょう。楽しみに聴いてみたいと思います。

「あのビブラート」

nuttycellist様

そうそう、私も「あのビブラート」が曲に合わないと感じることがありました。なるほど、「モノトーン」ですか。音色を考えるとき、楽器、右手、左手が、それぞれどのような要素に働いているのか、聞き手として興味のあるところです。「音色」という言葉からは、つい楽器と右手について主に考えてしまいますが、マイスキーの演奏を聴くとnuttycellist様がおっしゃっていた「音色の印象にはビブラートも影響している」というのがよく分かります。
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プロフィール

ククーロ

Author:ククーロ
18歳のときに「チェロを弾こう!」と決め、28歳でようやく始めました(2009年2月)。練習の記録と好きな音楽の紹介をしています。よろしくお願いします。京都在住です。


◆ お気に入りCD ◆

アクアトリニティ
水の薫り
aqua.jpg


サイトウ・チェロ・アンサンブル
クレンゲル「讃歌」
3202110926.jpg


ヨーヨー・マ
ソング・オブ・ジョイアンドピース <歓喜と平和の歌>
masong.jpg


トゥルルス・モルク
ショパン・チェロ曲集
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ミクローシュ・ペレーニ
ウィグモア・ホールライブ
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◆ 愛用スピーカー  ◆
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◆ 愛用の消音器 ◆
 マイ・ミュート
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◆ 今弾いてる楽器  ◆
Cao工房 ゴフリラーモデル
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