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厳しく、優しく、音楽を楽しんで。  徳永兼一郎 カサド/愛の言葉

tokunaga.jpg


本日紹介します演奏は、
 CD チェロ・ポピュラーアルバム より、
 カサド 作曲 愛の言葉
 チェロ 徳永兼一郎
 ピアノ 神谷郁代
です。


私がアマチュアとして楽器の演奏をするときに、
心がけていることがいくつかあります。

その一つが、
「厳しく、楽しく」
というもの。

基本的には、自分が楽しむために演奏をする。
たとえその演奏がどのような水準のものであろうとも。

これが許されるのがアマチュアだと思っていますが、
というか、だからアマチュアなのですが、
ただ、「楽しむ」というときの「楽しさ」にも、
色々な種類の楽しさがあるなぁ、と思うのです。

素人ではありますが、「こんな風に演奏したい」という、
願いや目標は、はっきりと持っています。

そして、それに近づくには、
ある種の「厳しさ」が必要である、ということも知っています。

毎日練習する、ということもそうですし、
自分の演奏の正すべき点を聞き分けることや、
安易に妥協しないことも。


さて。


徳永兼一郎さんは、
かつてN饗の主席チェロ奏者だった方で、
現・首席奏者の藤森亮一さんの師匠。
癌で1996年に亡くなっています。

ホスピスで開いた最後のコンサートのドキュメントが
NHKで放映されたそうで、
それがとても感動的であったと、
複数の方から聞いているのですが、
私はまだ視聴できておりません。
(NHKオンデマンドでも出ていないようです。)

それでは残された録音を聞いてみよう、
と思って上掲のCDを取り寄せてみました。
録音は1971年とありますので、
比較的若い頃の演奏でしょうか。

そのCD5曲目、
カサド作曲の「愛の言葉」を聴いた感想が、
本記事のタイトルであります、
「厳しい、優しい、そして楽しい」
ということでした。

妥協を許さない正確さ、
「ここはこう弾くべきである」という狙いの明確さ、
一音一音丁寧な、しかし過剰でない発音などから、
ある意味では心地よい、厳しさを感じます。

しかし同時に、
この曲の演奏全体からは、
広く包み込むような優しさも、
私には感じられます。

そして何と言っても、
音楽それ自体は楽しいのです。
カサドがカザルスに捧げた、
ロマンチックで情熱的なこの曲ですから、
楽しくないわけがない。
でもその楽しさは、
優しさを持って厳しく発せられるこの演奏の、
スキマからにじみ出てくるような印象を受けます。

録音状態はあまりよくないようで、
チェロの音は遠くから聞こえてくる感じがしますし、
音色も痩せてしまっているような気がします。
しかし、音色の成分からは、
目の前でナマできいたなら、
素晴らしい音色であろうと感じられます。


また、全曲通して、
「超絶技巧!」というわけでもありませんし、
これ見よがしな演出もありませんが、
じっくりと耳を傾けていると、いつの間にか、
その曲の世界に引き込まれてしまう魅力があります。



そんな氏の演奏を聴きながらふと、
音楽を楽しむということは、
少なくとも、私が「こんなふうに」と思うような、
音楽の楽しみ方をするには、
自らに課す厳しさが必要なのだろうな、と、
あらためて思ったのでした。


(余談ですが、私は「これ見よがしな演出」の演奏も、
 嫌いではありません。それはそれで、楽しんで聞いています)



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本日紹介しました演奏は、
 CD チェロ・ポピュラーアルバム より、
 カサド 作曲 愛の言葉
 チェロ 徳永兼一郎
 ピアノ 神谷郁代
でした。

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テーマ : チェロ
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やっぱり

あのドキュメント、観ました。ビデオにも録りました。
感動的です。特に「鳥の歌」の素晴らしさ。
ターミナルケアの中にありながら、その演奏は毅然として高貴。
カザルスよりも素晴らしかったかも知れません。
弟さんと似てますね。若い頃の写真だ。
名曲集のCDだったら、アマティ、モンタニャーナ、ゴッフリラの三つの名器を使った聴き比べのテイクがありませんでしたか。

クロちゃん、おひさあ

う~ん、いいですねえ。
ドキュメントもみたかったな。
抑制感って大事ですよね。

鳥の歌

■えにお様

そう、鳥の歌が素晴らしいと、知人からも聞きました。鳥の歌とチェリストの関係、深い。ヴァイオリニストの弟さんがいらっしゃるのですね。

ご紹介のCD、Amazonから中古品で注文することが出来ましたよ!(+ストラド、で「四大名器の鳴き合わせ」でした!)


■ばばにゃん様

お久しぶりです、クロちゃんです(笑)
ドキュメント、NHKのHPから見られるようになると良いのですけどね。
抑制感。そう、奏者よりも曲が聞こえてくる感じの演奏です。そういう演奏のほうが、じわじわとした、そして深い、感動があるように感じられます。

すいません

名器にはストラディヴァリウスも入っていました。
忘れていました。
どうも僕の意識の中ではストラディヴァリウスよりも
アマティ、ゴッフリラ、モンタニャーナの方が印象が強いようです。

No title

彼の演奏は、何方かとduoを弾かれたのを聴いたことがあるだけです。几帳面で真面目な演奏振りだったような気がします。ソリストとしては、アピールするところが少なかったということなのかもしれませんが、端整な演奏がこころに残っています。「厳しく優しく」というのも、則を超えぬ演奏振りを前提にした印象なのではないでしょうか。

大分若い時期に亡くなられて、惜しいことでした。でも、演奏家は、こうして録音というものを後世に残せるところが羨ましいですね。

則を越えぬ

■えにお様

一般的にも、チェロの場合はヴァイオリンと違って、
ストラド以外の作者による楽器の地位が高いようですね。
ゴッフリラを使っている名手は多いですし、
ヨーヨー・マもよくモンタニャーナ弾いてますし。


■nuttycellist様

このCDの演奏からも、「几帳面で真面目」な印象を受けます。こういうのを「則を越えぬ」というのですね!語彙が増え増した(笑)

演奏家が録音を残すように、私たち研究者は論文や著書を残すことが出来ます。しかし、演奏家が亡くなった後にも聞かれ続ける録音がそれほど多くないのと同じように、後世も読まれ続ける論文・著作というのはごくごく一部。それに値する研究をしたいと思うこの頃です。

No title

このCD、私も記事にしているのですが、ホスピス云々のドキュメントは観ておりません。。。話として聞いたことがあるだけです。
シシリエンヌやエレジーも入っているので、リピート率の高いCDです。
命燃え尽きるまで、チェロ、音楽と向き合う・・・チェロの演奏こそが生きていると実感できることだったのでしょうね。
いつかドキュメントは拝見したいと思っています。

■morpheus-cello様

シシリエンヌやエレジーが入っている、ということは四大名器のアルバムでしょうか?私も今聞いています。

ホスピスのドキュメント、見られるようになるとよいのですけど、ね。NHKスペシャルのネット配信に期待したいと思います。

>チェロの演奏こそが生きていると実感できる

私が同じ状況になったらどうするだろうと考えてしまいました。命燃え尽きるまでやりつづけたいこと、何だろう(独り言です)
bann2.gif

プロフィール

ククーロ

Author:ククーロ
18歳のときに「チェロを弾こう!」と決め、28歳でようやく始めました(2009年2月)。練習の記録と好きな音楽の紹介をしています。よろしくお願いします。京都在住です。


◆ お気に入りCD ◆

アクアトリニティ
水の薫り
aqua.jpg


サイトウ・チェロ・アンサンブル
クレンゲル「讃歌」
3202110926.jpg


ヨーヨー・マ
ソング・オブ・ジョイアンドピース <歓喜と平和の歌>
masong.jpg


トゥルルス・モルク
ショパン・チェロ曲集
mork.jpg


ミクローシュ・ペレーニ
ウィグモア・ホールライブ
perenil.jpg



◆ 愛用スピーカー  ◆
 Timedomain Light
light1.jpg
 



◆ 愛用の消音器 ◆
 マイ・ミュート
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◆ 今弾いてる楽器  ◆
Cao工房 ゴフリラーモデル
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