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目玉焼きって実はけっこう難しい 長谷川陽子 エルガー/愛の挨拶

Yoko.jpg



本日紹介します演奏は、
 CD G線上のアリア より、
 エルガー作曲 愛の挨拶
 チェロ 長谷川陽子
 ピアノ 長尾洋史
です。



私は5年間、ひとり暮らしをしています。
食事は基本的に自炊です。

料理をするようになって、はじめの頃。
 炒め物
 目玉焼き
 味噌汁
などは「簡単な」料理、
 ハンバーグ
 オムライス
 シチュー
などは「難しい」料理、
だと思っていました。

そのあと。
素人の我流でも毎日料理していれば、
数だけはこなせますから、5年もやっていれば、
それなりに色々な料理が作れるようになります。
初心者向けの料理本に載っているものは一通り作りました。

(ちなみに最も愛用している料理書は、
オレンジページの、「男のイタリアン」
 Otoko.jpgAmazon
です。)



そうすると、
以前と考えが変わってきました。

「難しい」と思っていた料理、
たとえばビーフシチューなんかは、
牛肉それ自体が十分においしいですし、
赤ワインやブラウンソースでしっかり味を付けますから、
おいしく作るのはそれほど難しくない。

一方で「簡単」だと思っていた料理、
たとえば目玉焼きなんかは、
意外に難しいものだと思うようになりました。

確かに、
フライパンを熱して油を引き、
卵を落としてフタをしておけば、
「目玉焼き」それ自体はできあがります。

でも、
 本当に美味しい目玉焼き、
となると、
卵、油、それにフライパンの選び方から始まって、
火加減、油の量と引くタイミング、塩・胡椒のアンバイなど、
絶妙なコントロールが必要とされます。

むろん、
美味しいと感じる目玉焼きも、
人によって違うだろうとは思います。

私の場合は、
 白身の裏・フチはパリっと明るい茶色に焦げて、
 白身自体は均一に火が通り、
 その加減は透明感が残る程度で、
 また表面があわ立つこともなくプルプルで、
 黄身は上から見ると薄い桃色、
 下のほう三分の一くらいは固まっていますが、
 それ以外は固まる寸前まで温められ、
 トロリとはしているけれど流れ出さず、
 塩加減は塩味を感じるか感じないかくらいで、
 しょっぱくはないけれど卵の旨味は引き出され、
 胡椒は挽きたての粗挽き黒コショウを少量、
 白身の部分全体にパラパラと。
というのが理想です。

が、なかなかこの通りに出来ることはありません。

よくよくフライパンと卵を観察し、
火加減を繊細にコントロールし、
フタや差し水もこまめに調整するよう、
神経を使ってやる必要がありまして、
作る度に、目玉焼きとは難しいものだなあと思います。


さて。


本日紹介します曲は、
エルガー作曲の「愛の挨拶」。

上品で可愛らしいメロディで始まりながらも、
途中にはしっかり盛り上がりもあり、
一瞬激しくなりかけますが、
スっと力を抜いて、
最後は優しく終わっていきます。

演奏時間は3分弱の短い曲。

アンコール・ピースとして、
(あるいはお稽古曲として)人気があり、
ヴァイオリンの小品集CDにも、
よく納められています。

様々な楽器のために編曲されて演奏され、
チェロによる演奏もポピュラー。

技術的にもそれほど難しくはなく、
こちらの記事でとりあげましたように、
私も今、練習しているところです。

そこでお手本用にと思いまして、
この曲のチェロによる録音の情報をおたずねしましたところ、
kuri様より長谷川陽子さんの演奏を紹介して頂きました。
それが本日紹介します録音です。


しばらく自分で練習したあとに、
このCDを聞いてみたところ、

唖然。

音色が充実しているのと音程が良いのは当然としても、
1音1音が全ていい音で発せられていて、
しかも微妙な表情があります。
全体の流れがしっかりある上に、
細かい強弱が丁寧に描かれていて、
特にさりげないピアニッシモの美しいこと!
ポジション移動で音が途切れることもなく、
ハイポジションでも音色が硬くならず、
移弦しても音質が顕著に変わらず、
弓先(たぶん)で弱くならず、
弓本(たぶん)で荒くならず、
ビブラートもほどよい感じ。

自分が練習していたところなので、
特に技術的な点に目が行きますが、
もちろん、何よりも、音楽が気持ちいい!


うーん、と唸ってしまいました。
これでは完全に別の曲です(笑)


もちろん、このCDでは、
愛の挨拶の演奏だけが素晴らしいのではなく、
他の曲も素敵。
また長谷川陽子さんに限らず、
プロの演奏家であれば、
上記のようなことは当然のことなのだろうな、
と想像します。

しかし、
自分が練習したあとで聞いたこの演奏から、
かつてなくその凄さを感じることが出来ました。
そうか、ここまでする、出来るのか。


と、ここまで考えて、
これは冒頭に書きました目玉焼きとにている、
と思ったのです。

目玉焼きと同じで、
エルガーのこの小曲も、
ただ音を並べるだけ(=卵を焼くだけ)なら、
そんなに難しくない。
でも、本当に良い演奏(=美味しい目玉焼き)をするには、
高い基礎技術(=良い食材)の上に、
繊細な火加減(=強弱)と、
音色のコントロール(=塩加減)が必要。

こういう一見簡単そうな曲であるほど、
プロの凄さがよく分かるなぁと、
改めて思ったのでした。

そして、少しでも、
理想の目玉焼き・・・ではなく(笑)、
長谷川陽子さんのような素晴らしい演奏に近づけるよう、
一般的には基礎技術を充実させ、
この曲としては丁寧に曲をしていきたい、
と思ったのでした。


----------------------------------------------
本日紹介しました演奏は、
 美味しい目玉焼きの作り方・・・ではなく(くどい:笑)
 CD G線上のアリア より、
 エルガー作曲 愛の挨拶
 チェロ 長谷川陽子
 ピアノ 長尾洋史
でした。

Yoko.jpgAmazon楽天HMV
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テーマ : チェロ
ジャンル : 音楽

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プロフェッショナル

こんにちは。
素晴らしい演奏家は音階を弾くだけでも涙が出るほど感動させてくれますね。
音楽に限らず、どんなジャンルでも「プロの技」には無条件で感心します。
タクシーの運転手さんの鮮やかなバック、切り返し。
バーテンダーの華麗な手さばき。

私も自分の仕事で「プロの技」を発揮できているだろうか・・・?
うーん、なんか悲しくなってきたぞ。

No title

ククーロさん こんばんは♪よかった!聴かれたのですね♪
長谷川陽子さんの演奏・・・好きですか?
kuriは、クラッシック好きですが、チェロを始めるまで、チェロだけの演奏(CD含め)、ちゃんと(フルニエとヨー・ヨー・マのみあり)聴いたことがありませんでした。
そして、ククーロさんのブログや他のサイトなどで、沢山のチェリストを知るに至って、遅まきながら、少しずつCDを買い求め、聴くに至ってます。聴いたチェリストリスト(敬称略)→フルニエ、 ヨー・ヨー・マ、カザルス、シュタルケル、ペレーニ、アルト・ノラス、長谷川陽子、山崎伸子、以上・・。が、1月からチェロを始めて聴いて勉強してるかたがた。
先日、アルト・ノラスの のびのびした演奏が、とっても長谷川陽子さんと似てる~っと思ったら、師弟だったのを知り、似るのだなあ!!とおもしろかったです。
そして・・・・・kuriがチェロを弾きたいと思ったきっかけが、愛の挨拶をテレビのドラマの中で聴いた(演奏者不明)ことなのですが・・・・
kuriのイメージの愛の挨拶と、長谷川陽子さんの演奏では、ちょっと違う~~のです。
とても軽やかに演奏されていて、それはそれで、とてもとても素敵な愛の挨拶♡なのですが。
そして~~不満に思ったkuriはPCで検索してるうちに、新倉瞳さんの演奏(Y-TUBUかな?)を聴くにいたったのです。
そして~それが~もの凄くいい♪なにか・・・しっとり 落ち着いた、愛の挨拶なのであります~~~~♪
というわけで、どうか、新倉瞳さんの演奏も聴いてみてくださいませ♪
短期間ですが、チェリストのかたがたの演奏の違いが、少しずつ聴き分けられるようになってきました。(う~む!成長してるのである!)
のだめ全巻読破♪DVDも買っちゃった。実写版も楽しい(音楽が流れるし)けど、ククーロさんと同じく、原作のほうがいいな~。






レス

■木曾のあばら屋さま

おはようございます。コメントありがとうございます。そういえば、役者の練習でレシピを読んで泣かせたり笑わせたりする、というのがあるそうですね。
プロの技、私は年季の入ったレジのおばさんのカゴ詰めのワザにいつも感動します(笑) なんと理にかなった効率的な空間利用か!
自分の仕事・・・感動してもらえる水準にはまだまだ遠いなと私も思います。がんばろう。(独り言)


■kuri様

聞きましたよ~。
長谷川さんの演奏「も」好きです。でも、情報をお願いしたことからも分かりますように、まだあまり色々な人の演奏を聞いていないので、もっとしっくりくるのがあるかもしれません。新倉さんの演奏は他の方からもオススメ頂いてましたし、今度取り寄せてみますね!

>とてもとても素敵な愛の挨拶♡なのですが
当ブログで「♡」を使われたのはkuriさんが初めてです、きっと(笑)

チェリストリスト、ほかに、
一般的にも著名な奏者としては、
ロストロポーヴィチさん(以下の記事で紹介)
http://kukulo.blog83.fc2.com/blog-entry-2.html
マイスキー(以下の記事)
http://kukulo.blog83.fc2.com/blog-entry-104.html
ジャクリーヌ・デュ・プレ(同)
http://kukulo.blog83.fc2.com/blog-entry-4.html
ほかに私の好きな奏者では、
トゥルルス・モルク
http://kukulo.blog83.fc2.com/blog-entry-21.html
ポール・トルトゥリエ
http://kukulo.blog83.fc2.com/blog-entry-9.html
などの方々がいらっしゃいます。
まだまだ出会いの材料には事欠かないですね。
bann2.gif

プロフィール

ククーロ

Author:ククーロ
18歳のときに「チェロを弾こう!」と決め、28歳でようやく始めました(2009年2月)。練習の記録と好きな音楽の紹介をしています。よろしくお願いします。京都在住です。


◆ お気に入りCD ◆

アクアトリニティ
水の薫り
aqua.jpg


サイトウ・チェロ・アンサンブル
クレンゲル「讃歌」
3202110926.jpg


ヨーヨー・マ
ソング・オブ・ジョイアンドピース <歓喜と平和の歌>
masong.jpg


トゥルルス・モルク
ショパン・チェロ曲集
mork.jpg


ミクローシュ・ペレーニ
ウィグモア・ホールライブ
perenil.jpg



◆ 愛用スピーカー  ◆
 Timedomain Light
light1.jpg
 



◆ 愛用の消音器 ◆
 マイ・ミュート
mute2.jpg



◆ 今弾いてる楽器  ◆
Cao工房 ゴフリラーモデル
IMG_0894_4.jpg

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