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考えて分かる音楽の味わい 『名曲に何を聴くか』 田村和紀夫

nanikiku.jpg



この書籍は、

【新音楽鑑賞法】名曲に何を聴くか
音楽理解のための分析的アプローチ

と題されています。


(個人的には、「新音楽鑑賞法」の「新」は、
 はて・・・?と思わなくもないのですが(笑)、
 まあそれはおいておきましょう)

で「分析的」といっているくらいですから、
本当に分析してます。

いわゆる、

「難しい本」

のうちに入ると思います。

目次はこんなかんじ。

第1章 音楽とテンポ
 テンポは性格 <<別れの曲>>はどんな「別れ」の曲?
 テンポの分裂 <<グレート>>は「偉大」か
 テンポと表現 シューマンのピアノ協奏曲を思い出せ

第2章 拍子とリズム
 拍節と音楽 ワルキューレの騎行の足どり
 めくるめくリズム <<第7>>を神格化するシンコペーション

第3章 旋律
 フレーズから音楽へ <>のつづれ織り
 ホモフォニーとポリフォニー <<第9>>の荘厳な歓喜
 モティーフの発展としての音楽 <<木星>>の裏側

第4章 音組織と調性  
 長調と短調の光と影 <<モルダル>>の水は何色?
 5度転調と3度転調 <<野ばら>>のドラマ、<<献呈>>のロマン
 懐かしい五音音階の調べ <<家路>>へいざなう響き
 旋法の話 <<亡き王女>>は何モード?

第5章 オーケストラの楽器
 オクターヴ・ユニゾンのおののき ああ<<40番>>!
 オーケストラの華:木管楽器 断頭台の<<幻想>>
 妙なるラッパの音:金管楽器 マーラーの天国の響き

終章 総合的分析
 「音楽のインヴェンション 楽譜を音楽化する音楽後の基礎
 <<運命>>の心理学




副題がなかなか魅力的でしょう。

  <<第9>>の荘厳な歓喜

とか、

  <<モルダル>>の水は何色?

とか。

ところが、それぞれの節の本来の題は、

 ホモフォニーとポリフォニー <<第9>>の荘厳な歓喜
と、

 長調と短調の光と影 <<モルダル>>の水は何色?

なのですよ。

で、この本では、副題のほうに書いてあるような、
色々な、私たち聴き手に「感じられる」ことを、
理論的に分析して、

「ここはこういう風な理屈で作曲されているから、
 こういう風に感じられるのだ」

ということを、
楽譜をもとに解き明かしていきます。

これは、チェロを弾きもする私としては、なかなか面白い。
楽譜には色々な情報が書かれてありますが、
ちょっとした記号ひとつにも、
けっこう深い意味が読み取れたりも、する。

楽譜を解読して解釈して演奏するというのは、
そういうものらしい、ということは、
楽器を有る程度習っていれば先生にアレコレ言われますから、
多少なりとも意識することにはなります。

しかし、この本では、かなり深いところまで突っ込んでいく、
その思考と分析のプロセスを著者のガイドでたどることが出来ます。


・・・なのですが、いえ、それゆえに、
結構「ムズカシイ」本でもあります(笑)

音楽の専門用語は容赦なく出てきますし、
その用語の説明が載っていないことも多い。

また、色々な曲を例にしながら説明するわけですが、
楽譜をみただけでは、

「こういう風に書いてある」

ことまでは分かっても、
よほど聞きなれた曲でない限り、

「どんな風に聞こえるか」

までは、私は分かりません。

そこで、
分からない用語はその都度インターネットで調べながら、
また、Youtubeなどでその部分とおぼしき曲を聴きながら、
読み進めていきました。

そのため、
最初はとっつきにくかったのですが、
だんだんと慣れてくるにしたがって、
一種の「謎解き」ようのような面白さを感じるようになり、
最後の「運命の心理学」では、
うなづくことしきりでした。

ここで作者は、

・冒頭の動機

と、

・3楽章から4楽章へのつなぎ

を取り上げて、

・それぞれ楽譜からどんなことが読み取れるか

・ということはどのように演奏されるべきか

を考えていきます。


楽曲、あるいは楽譜の「解釈」という作業は、
専門的に音楽を学んでいる方であれば当然のこととして、
日々行っている作業であろうと思います。

また、私もチェロを習っていますから、
学習している曲に関しては、
先生からあれこれと教授して頂いております。

ですが、
音楽全般にまではなかなか広がりませんし、
聴き手としてはチェロ音楽以外のものも楽しむ私としては、
本書の内容は非常に興味深いものでした。

「のだめ」では、

 「作曲者と楽譜を通じていかに対話するか」

という問題が重要な主題としてたびたび登場し、
物語の中でも重要な役割を果たします。

その具体的な例に触れることが出来る、という意味で、
専門的な音楽教育を受けていない、
私のような愛好家にとっては、
とてもありがたい書籍であると感じられます。

もっとも、多少の「むずかしさ」を覚悟して、
じっくり付き合い、読み解いてみれば、
の話ですけど、ね。


本日紹介しました書籍は、


『名曲に何を聴くか』 
田村和紀夫
nanikiku.jpg Amazon


でした!




bann2.gif
職業柄、難しい本は読みなれております。
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No title

これはまた面白そうな本の紹介で、ありがとうございます。
地元の図書館にあったので早速予約をいれました。
読んでみたいと思います。

■たこすけ様

けっこう読み応えがありますが、
私はとても興味深く読みました。
二回通して読んでようやく内容が飲み込めました(笑)

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

難しそう・・・

曲をより音楽的に…楽譜から、たくさんの情報をすばやく読み取りたい…
と思っているので、色々お勉強もしなくちゃ!!
なのですが…
これは難しそう…

そもそも知識が乏しいので、読み終わるまでに何ヶ月かかるかって感じです(笑)

■ちぃ様

そうそう、あまり読者に優しくない本です。
見た目に反して(笑)

楽譜の読み解き方、
きっとどこかによい入門書があるはずだと思うのですが、
いまのところ知らないですねぇ。
いっこいっこ先生に教わってます。

はじめまして

はじめまして。まこと申します。
ちょくちょくお邪魔させていただいては、勉強させて頂いてます。

楽譜の中にあるヒントをいかに拾って読み取るか。
難しいですが、ヒントが掴めてくると面白いですよね。
根気が、いりますが・・・。

私も是非読んでみたいと思います。

■まこ様

いらっしゃいませ。コメントありがとうございます。

>勉強させて頂いています
お役に立てると光栄です・・・が、音大出身の方にそう言われると
若干びびります(笑) 変なこと書いてないといいのですけれど(笑)

楽譜の読み方、ほんとうに勉強しはじめたばかりなんですけれど、
こうやって謎解きしてもらうと、頭は疲れますが本当に面白いです。

これからもよろしくお願いします。
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プロフィール

ククーロ

Author:ククーロ
18歳のときに「チェロを弾こう!」と決め、28歳でようやく始めました(2009年2月)。練習の記録と好きな音楽の紹介をしています。よろしくお願いします。京都在住です。


◆ お気に入りCD ◆

アクアトリニティ
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サイトウ・チェロ・アンサンブル
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ソング・オブ・ジョイアンドピース <歓喜と平和の歌>
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ショパン・チェロ曲集
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