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バッハは時代と場所の壁を超える by マイスキー




当ブログでは色々なチェロ奏者の演奏を紹介しています。
演奏家の好みというのは人それぞれですよね。


例えば、おそらく現在世界一有名なチェロ奏者は、
ヨーヨー・マだと思いますが、
彼の演奏を好まない方にもよくお会いします。

私はといえば、いまのところ、
「こういうチェロ奏者が好き」という、
明確な好みは、持ってないようです。
色々な奏者の色々な演奏を、それぞれに楽しんでいます。

もちろん、
「この曲ならこの人の録音!」とか、
「この人はこういう曲にはちょっと合わない気がする」
といったような意味での好みはありますが。

例えば、
著名なチェロ奏者の中では、これまでのところ、
当ブログであまり取り上げて来なかった方のなかに、
ミッシャ・マイスキーがいます。

彼の音色は素敵だなぁと思うことも多いのですが、
少し演奏がフワフワする感じがするのです。
これまでに取り上げてきた曲では、
もうちょっと落ち着いた、堅実な演奏が合う気がして、
ときどきロマンチックにすぎるなぁというのが、
取り上げて来なかった理由でした。


ところで。


最近、バッハの無伴奏チェロ組曲について、
カナダのジャーナリストであるエリック・シブリン氏の著書、
"The cello suites
J.S. Bach, Pablo Casals, ant the search for a baroque masterpiece "
を読んでいます。yoshiさんのところで紹介されていたものです。

まだ読み途中なのですが、
マイスキーへのインタビューの中で、
次のような言葉を語っておりました。
マイスキーのバッハ解釈に対する批判に対しての反論、
という文脈です。


バッハをバロック音楽の作曲家だと限定してしまうのは、
彼のような天才に対する侮辱です。
バッハはそれよりも偉大なものです。
彼はたまたまバロックの時代に生まれましたが、
その時代の最も偉大なロマン派作曲家であり、
また、近代作曲家でもありました。



5番のサラバンドを聞いてごらんなさい!
まるで昨日書かれた曲のようではありませんか!



バッハはどのような時代にも場所にも属さないのです。



(P91.訳はククーロです。少し意訳した個所があります)


私は音楽史や時代ごとの演奏法をほとんど知りませんし、
バッハについて深く勉強したわけでもありません。
ですから、上記のマイスキーの言葉、
「どのような時代にも場所にも属さない」について、
賛成とも反対ともいえません。

ただ、300年も前につくられたバッハの音楽に、
現代に生きる私は、いつも感動を覚えます。

以前からバッハの音楽、ことに無伴奏チェロ組曲は大好きですし、
初めて生で聞いたマタイ受難曲に感動したことも、
昨日のことのように覚えています。

また、無伴奏チェロ組曲の演奏についても、
様々な奏者の実に色々なカラーの演奏がありますが、
どれもそれぞれに楽しんで聴いています。

上記、マイスキーの言葉に、

5番のサラバンドを聞いてごらんなさい!
まるで昨日書かれた曲のようではありませんか!



とありますね。


また、同曲について、ヨーヨー・マはこんなことを言っています。

最もシンプルで複雑な曲の1つです。とても音が少ない。
尺八のように音と音の間に間があります。



5番サラバンドですと、
私はロストロポーヴィチの演奏が好きです。
それで冒頭にYoutubeの氏の演奏を貼りました。

では、マイスキーは。

上記インタビューとは時期が違うでしょうけれど、
ロストロポーヴィチよりも抑揚に富んだ演奏だと思います。


同じく、ヨーヨー・マ。
こちらは東大寺での演奏のドキュメントです。
前半にインタビューがあります。
(記事への埋め込みは無効でした)。

http://www.youtube.com/watch?v=9NaVpv9jsTo

(弓の持ち方が不思議!)



ある演奏が、バッハの音楽の演奏としてどうなのか。

愛好家としての私は、
感動こそが音楽の本質だと思っています。
ですので、上記のように、
様々な演奏をそれぞれに楽しんでいます。


一方で、

バッハ自身はどう弾かれることを望んでいたのか、
また、作曲者の存命中には実際にどのように弾かれていたのか、
あるいは、もしも彼を現代に連れてきたとしたら、
現代の演奏家たちの演奏をどのように感じるだろうか。

こういう設問にも好奇心はくすぐられます。


演奏者としても、聴衆としても、
楽しむネタに事欠かない、バッハの無伴奏チェロ組曲。

長い付き合いをしていきたいと思います。




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テーマ : チェロ
ジャンル : 音楽

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解釈

一つの楽曲、あるいは作曲家に対する解釈は難しいですよね。

作曲家がどう弾いて欲しいのかと考える一方で、そんな事は「国語の試験問題」のようなものだという思いもあります。
「作者の解釈として正しい物はどれでしょう」
4つの選択肢があっても、そんな事作者さんは思って書いてるかどうか……(笑)

また、日記があったとしても、日記に書いてある事が心情のすべてとも言えないですよね。
(少なくとも、私の場合は違うと断言します……)

だから、究極的には、その人が考える「正解」が正解ですよね。
研究の度合いは問われるかもしれませんが……。

また、楽器の変化という問題はあって。
解釈以前に、バッハ弾くのならガット弦なのかとか、そのガット弦だって現在のガット弦と当時とではまるで質が違うでしょう。

ピアノなんて楽器そのものがバッハの時代とは全然違うわけで。


でもじゃあ好き勝手に弾いていいかといったら、勿論そうではないですし、ね。

作曲家を尊敬し作品を敬愛して、弾いたり聴いたりしていけるといいですよね。

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Re: 解釈

>「国語の試験問題」

まさに!言い得て妙ですね。
もしも自分の書いた小説が国語の試験問題になったら、
「正しい解釈はありません」と答えるでしょう(笑)

>日記

このあたりに「資料研究」の限界があるのではないかと、
音楽に限らず、過去についての研究について、
以前から疑問に思っています。

事実の問題に限ったとしても、
たまたま見つかったその文書に、
たまたま書かれていたその言葉から、
どこまではっきりしたことが言えるのか・・・

作曲者が聴いて喜ぶかどうか、ということにも、
作曲者が聴いて喜ぶ演奏が素晴らしい演奏なのか?
という疑問もあります。

また、仮に作曲者の意思を尊重すべきだとしても、
当時どのように弾かれていたかということと、
それが作曲者にとっても理想の演奏だったのか?
という問題もあります。
楽器の変化もその視点から考えて、
「バッハが生きていたら、今のピアノを使うに違いない」
という意見もありますよね。


>好き勝手に弾いていいかといったら

正しいか間違っているか、という問題だと、
シロクロつけなきゃいけなくなりますが、
「その曲の魅力を引き出す演奏が、いい演奏」
と考えたほうが、無限に可能性が広がる感じがして、
また私の音楽体験からも、ぴんと来るんですよねぇ。

そこで、いまのところ、素人の私が思う基準は、
「残された楽譜から、どのような感動を引き出すことが出来るか」
といったところです。


とはいっても、演奏者としての私は、
そもそも音符を並べられるかどうかという水準なので、
こんなこと考えるより練習しろって言われそうですが(笑)

ククーロさんこんばんは。

動画をみて、聴きくらべてみました。
ロストロポーヴィチさんの演奏が好きです。
同じ曲でも、違いがあっておもしろいですね!

バッハの曲はピアノよりチェロのほうが素敵だなと
思うことが多いです。
もっと聴いてみたいです。

ヨーヨーマの手がきれいです☆

Re:手

ヨーヨー・マは手も大きくてきれいだし、腕も長いようで、
チェロを弾くにはもってこいの手・腕のようです。
ちなみに彼の奏法は、
教科書的な意味での「右手はこう」「左手はこう」に比べると、
「こうなってはいけません」の見本みたいな弾き方なのですが(笑)、
あれだけの演奏をされると文句も言えませんね。
マネは出来ないです。マネしたら弾けません(笑)

バッハのこの曲はチェロ奏者にとって、とても大事な曲のようです。
私もかれこれ10セットくらいは持ってますが、
本当に色々な弾き方があって面白いですよ。
バッハの鍵盤の曲も私は好きですが(笑)

ミッシャ マイスキーの生演奏

昨年秋にミッシャマイスキーの演奏会に行き、生演奏を聴きました。
しっとりと歌い上げる曲が多くて、「らしさ」が感じられましたが、こちらのバッハも良いですよね。思わず会場でCDを買いました。
アンコールの「おくりびと」も素敵でしたよ☆

Re:ミッシャ マイスキーの生演奏

ブログ拝見いたしました!
マイスキーの音色は生で聴いたらたまらないでしょうね!
次に関西に来てくれるのはいつだろうか・・・

この方のバッハの録音は、まだ持っていないのです。
氏に申し訳ないと思いつつ、Youtubeでときどき聴きます。
なんていい音!

噂では一回目の録音と二回目の録音でずいぶん雰囲気が
違うとか。

小曲集も(むしろ、小曲集が?)素敵なので、
今度だすときには是非、おくりびとも入れて頂きたいですね!

おくりびと

その、「おくりびと」ですが、すでにベスト版CDに入っておりますよ☆
映画に出てきた山形の山々が眼に浮かぶような、素晴らしい演奏です♪

おくりびと

morpheus-cello様

情報ありがとうございます!
さすが、レーベルも抜け目がない。
私が思いつく程度のことはとっくにやってますね(笑)
bann2.gif

プロフィール

ククーロ

Author:ククーロ
18歳のときに「チェロを弾こう!」と決め、28歳でようやく始めました(2009年2月)。練習の記録と好きな音楽の紹介をしています。よろしくお願いします。京都在住です。


◆ お気に入りCD ◆

アクアトリニティ
水の薫り
aqua.jpg


サイトウ・チェロ・アンサンブル
クレンゲル「讃歌」
3202110926.jpg


ヨーヨー・マ
ソング・オブ・ジョイアンドピース <歓喜と平和の歌>
masong.jpg


トゥルルス・モルク
ショパン・チェロ曲集
mork.jpg


ミクローシュ・ペレーニ
ウィグモア・ホールライブ
perenil.jpg



◆ 愛用スピーカー  ◆
 Timedomain Light
light1.jpg
 



◆ 愛用の消音器 ◆
 マイ・ミュート
mute2.jpg



◆ 今弾いてる楽器  ◆
Cao工房 ゴフリラーモデル
IMG_0894_4.jpg

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